今週末見るべき映画「いつか眠りにつく前に」

2008年 2月 23日 09:00 Category : Art

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 なんというキャスティング。ごひいきの女優ヴァネッサ・レッドグレイヴとメリル・ストリープの二人に、それぞれの実の娘、ナターシャ・リチャードソンとメイミー・ガマーが共演。さらにクレア・デインズ、トニ・コレット、グレン・クローズが加わる。これだけの女優、いったい、どのような映画なのか、このキャスティングだけで、わくわくする。


(c)2007 Focus Features

 「いつか眠りにつく前に」(ショウゲート配給)は、「ニューヨーカー」で短編デビューした人気作家、スーザン・マイノットが10年ほど前に書いた「EVENING」が原作である。脚本は、原作者のマイノット自身と映画「めぐりあう時間たち」の原作を書いたマイケル・カニンガムとのコンビである。現在と過去が交互に描かれるが、繊細でコクのある脚本に、女優陣の精緻な演技、心理描写がからみ、見ごたえがある。

 死を目前にし、若かったころの過ちを、うわ言のように口にする老女アンにヴァネッサ・レッドグレイヴ。その娘役にナターシャ・リチャードソンとトニ・コレット。アンの若かったころをクレア・デインズ。その親友ライラにメイミー・ガマー。ライラの母親役がグレン・クローズ。死を目前にしたアンを見舞うライラに、メリル・ストリープが扮している。


 出色の出来は、若いころのアンを演じるクレア・デインズ。「ロミオとジュリエット」の頃の面影、イメージは一変、快活な歌手志望の女性をいきいきと演じて、達者な芝居を見せる。

 アンを見舞う、ライラ役のメリル・ストリープが、少ない出番ながら圧巻。過去の罪の意識を背負い、選んだ人生に悔いを残すアンと再会する。交わすせりふには、思わずこみ上げてくるものがある。

 映像がとてつもなく美しい。アンが昔をふりかえり、まるで夢を見ているようなシーンがいくつか。過去として描かれるロングアイランド、ニューポートの海辺の景色などなど。監督が「海の上のピアニスト」「華麗なる恋の舞台で」などで、撮影監督を務めたラホス・コルタイ。うなずける。


 この映画もまた、人生の選択、決断によって、ありえたかもしれない別の人生を思いうかべる構造である。人生はこれでよかったのか、なすべきことをしたのだろうか。犯した過ちの意味とは…

 死を目前にしたアンが、二人の娘と交わす会話にも、心震える。

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