三宅一生ディレクション「XXIc.- 21世紀人」

2008年 4月 3日 10:00 Category : Art

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 さらに歩みを進めると、ロボットのような人間のような形のオブジェがさまざまなポーズをとっている姿がある。藤原大+イッセイ ミヤケ クリエイティブルームによる『ザ・ウィンド』は、昨年の秋に発表された「DYSON A-POC」というシリーズに端を発し制作されたものだ。

イッセイ ミヤケ クリエイティブルーム『ザ・ウィンド』


 「DYSON A-POC」というのは、ダイソンクリーナーのパーツを一度すべて分解し、それぞれの部品を服のパーツに置き換えたシリーズだ。作品は、2つのブースに分かれており、「DYSON A-POC」の制作工程が分かるよう、使用されたパーツとそこから起こされた紙のパターンが並べて展示されていた(下写真)。


 「ここに展示されているのは、実物の2分の1の型紙になります。最初の工程としては、ダイソンのクリーナーをすべて分解して『この部分はスカートに使える』とか、『ここはジャケットに』とスタッフ全員で想像を膨らませていきます。そして、そのフォルムを実際の服に仕立てるためにパターンを起こします。モチーフに使われている柄やポケットの形、『DYSON A-POC』で使用されているすべてのフォルムはダイソンのクリーナーのパーツを再構成したものです。それがA-POCの技術で1枚の布になって織り上げられていくのです。今回の展示に合わせて、洋服を着るボディ(=人体)をすべてダイソンのパーツで仕上げました。ボディのポーズは、パスタを食べていたり、新聞を読んでいたり、子どもを抱いていたり、すべて日常の風景をモチーフにしています」(イッセイ ミヤケ クリエイティブルーム) 


 ダイソンのクリーナーという一つのプロダクトは、人が身にまとう衣服となり、衣服を身にまとう人体となって再構成される。それは、モノが溢れあらゆる表現が出尽くしたように思える現代において、既存の情報を再構成し新しい表現を探っていく。まさに今の時代のものづくりの考え方を表していると言えよう。そして、「ザ・ウィンド」(=風)というテーマには、ファッションとアート、デザインを縦横無尽に駆け巡る、そして時には前から、時には後ろから吹いてくる風のようにさまざまな局面から物事を見据えるという意味が内包されているのだ。

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