この夏行くべきアートスポットは「犬島」

2008年 5月 30日 00:00 Category : Art

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 この夏行くべき、大注目のアートスポットがオープンした。その名は「犬島」。岡山県岡山市沖に位置し、周囲は約4km、64人(平成20年1月31日現在)が住む。住民の平均年齢75歳と、日本の過疎高齢化の典型のような小島だ。

 この地で、香川県・直島の地中美術館の運営母体でもある、直島福武美術館財団による新プロジェクト「犬島アートプロジェクト」が進んでいる。犬島に残された産業遺構と建築、アーティスト・柳幸典のアートワークおよび循環型の環境システムを一体化し、ここでしか得られないアート体験を提供しようというものだ。

犬島アートプロジェクト「精錬所」 撮影:阿野太一

 その第一期として「精錬所」が4月27日より公開されている。「精錬所」は、明治42年から大正8年までこの島で操業していた、銅の精錬所の跡地を利用している。数年前までは廃墟として荒れ果てていたのだが、整備をし、新たに建築家・三分一博志の手により「精錬所」としてよみがえった。総工費は約10億円。

 精錬所の跡地は、巨大な煙突や発電所の跡、精錬過程で発生する鉱滓からなるカラミ煉瓦で造られた工場の跡など、非常にリアルかつ良好な形で残されている。見学は、予約制のツアー形式なのだが、ガイドの話を聞きながら、これらの産業遺構を見学すると日本の近代化に貢献し、経済を支えていた痕跡に強く心打たれる。

 アートワークは、柳幸典の「ヒーロー乾電池」(2008年)が建築と一体になった形で展開されている。かつて東京都渋谷区松濤にあった、旧三島由起夫邸の廃材や銅の精錬過程で発生するスラグ、島で切り出される石や、巨大な鏡、映像、音などを館内の4つのスペースで一つの作品として展開している。これは、現地でしか得られない作品体験になるため、自らの目で是非確かめて欲しい。直島から続く、サイト・スペシフィック(Site Specific)な展開の最新型といえるかもしれない。

 実は、犬島アートプロジェクトは、2010年に直島も含め、周辺一帯で開催予定の「瀬戸内芸術祭(仮)」の中核となる一大プロジェクトだ。第一期の公開が始まったばかりで、今後も第二期として島内に新たなアート作品が展開されていく予定だ。

 東京からは高松経由もしくは直島経由でアクセスする。決してアクセスしやすいとはいえないが、世界的に見ても間違いなく、先進のアートスポットのはず。この夏、行くべきアートスポットだ。

犬島アートプロジェクト
岡山県 岡山市 犬島 の地図 - エキサイト 地図

取材/エキサイトイズム編集部

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