今週末見るべき映画「コミュニストはSEXがお上手?」

2008年 6月 20日 12:30 Category : Art

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 1945年、第二次世界大戦はドイツが連合国に無条件降伏。戦勝国のアメリカ、イギリス、ソ連の政治的取引で、ドイツは東西に分断される。西は資本主義の自由経済、東は社会主義の統制経済となる。

 1949年、ソ連が占領した地域が、東ドイツ(ドイツ民主共和国)となる。以来、1989年のベルリンの壁崩壊、1990年に東西統一まで、東ドイツの生活事情は、なかなか西側には伝わらなかったようであった。

 映画「コミュニストはSEXがお上手?」(パンドラ配給)は、分断された東ドイツと西ドイツの、セックスに関する比較考現学ともいえるドキュメント。社会学者や研究者たちによる、びっくりするような事実が、次々と報告される。


© 2006 ma.ja.de. filmproduktion / MDR / arte
 初体験の年齢は東が早い、回数、テクニックなどは、東が西より優勢、東の女性の、絶頂の経験者は、西よりはるかに多い。さらに、ぺ二スの長さは、東の男性のほうが6ミリ長い、という。ピルの解禁、中絶の合法化も、東が早くから施行、セックスはオープンなものとして、性教育も堂々と行われていたのである。

 なぜ、そうなったのか。映画は、ユーモラスなアニメーション、当時のニュース映像や、社会学者、研究者のコメントを交えて、展開する。傾けるべき発言は多い。どれもが、なるほど、そういうことか、と説得されてしまう。

 早いテンポで語られる、東西ドイツの、セックスに関する多角的な比較から、ふと、わたしたちは、では自分はどうなのだろう、と考えこんでしまう。

 まじめな考察、論考が続く。東西ドイツの歴史的変遷が、さりげなく見え隠れする、うまい構成と演出。しかし、タイトルに惑わされての期待はしないほうがいい。ユーモラスな表現、いささか皮肉な味付けながら、ほんとうに、まじめな視点のドキュメントなのである。

 監督のアンドレ・マイヤーは、東ドイツの出身、美術の造詣の深い編集者で、芝居の脚本や小説も書く才人である。

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