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今週末見るべき映画「チェ 28歳の革命」

2009年 1月 8日 15:00 Category : Art

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 数年前に「モーターサイクル・ダイアリーズ」という映画があった。アルゼンチン生まれ、医者志望の若者エルネスト・ゲバラが、中古のオートバイで友人と二人、南米を旅する。そして、南米の虐げられた人たちの現実を目の当たりにすることとなる。

 「チェ 28歳の革命」(ギャガ・コミュニケーションズ、日活配給)は、チェと呼ばれたゲバラが、メキシコで出会ったフィデル・カストロとともに、キューバ革命を成し遂げるまでを描く。


©2008 Guerrilla Films,LLC−Telecinco Cinema,S.A.U.All Rights Reserved

 なぜ「チェ」と呼ばれるのか。ゲバラは出会う人に親しみをこめて呼びかける。「チェ」(やあ、あなた)と。ゲバラの「革命戦争回顧録」や「ゲバラの日記」などの著作や、ゲバラへのインタビューなど、膨大な資料をリサーチ、丹念に構成された映画は、史実に基づいて、きめ細かい。映画としての派手さはないし、だから語り口はきわめて静かである。


 1962年のキューバ危機の後、ニューヨークの国連総会でのゲバラの演説と、アメリカでのインタビューを要所要所に挿入しながら、1952年のカストロとの出会いから、1959年のキューバ革命の成功までを、ほぼ時間の経過通りに描いていく。もちろん、カストロは何度も登場するが、視点の中心はあくまでもゲバラその人である。

 監督は「トラフィック」などを撮ったスティーヴン・ソダーバーグ。エンタテインメント系はもとより、政治的なテーマを扱った、やや硬派の作品であっても、引きつける力量たっぷり、手だれである。

 歴史的背景の説明は控えめ、ゲバラがどのような人物であったのかに重きをおいた演出はドキュメント・タッチで、まことにリアルである。ゲバラに扮するのは、プロデューサーも兼ねるベニチオ・デル・トロ。ソダーバーグ監督の「トラフィック」で大ブレイク、ゲバラの伝説的ともいうべき人物像を、魅力たっぷりに演じて、達者である。観客は、ゲバラとともに戦う兵士のひとりのような錯覚すら覚えるほどだ。

 カストロとともに、キューバ革命を成し遂げたゲバラは、キューバでの要職を捨て、カストロに別れを告げる。ゲバラはボリビアの解放のため、ゲリラ活動を再開する。これは1月31日公開の映画「チェ 39歳別れの手紙」で描かれる。

 エルネスト・チェ・ゲバラは、1967年ボリビアで処刑される。昨年が生誕80年、今年がキューバ革命50周年になる。

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