鴻池朋子インタビュー「インタートラベラー、内なる世界への旅」

2009年 9月 23日 19:00 Category : Art

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 インタートラベラー、内なる世界への旅。9月27日まで東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーで「鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人」を開催中のアーティスト、鴻池朋子氏に話を聞いた。


ーまずは、今回の展示のコンセプト「地球(人間の心)の中心まで旅をする」についてお聞かせ下さい。

 この展覧会の話があったのは去年の夏くらい。ちょうどその前に、科学者の方と一緒に地球の内部についてディスカッションをする機会があり、その体験がふっと頭によぎったんです。それで、なんとなく今回のテーマ「地球の中心まで旅をする」というのが浮かんできました。「地球の中心まで行ってまた帰ってくる」そんな子どもじみたことを、大きな会場で展示できたら、これほど面白い遊びはないんじゃないかと。

ー鴻池さんの作品は、これまでグループ展などで断片的に見られることが多かったように思いますが、今回一堂に集めてみて、初めて気付いた点などはありましたか?

 今回の展覧会で一番変わったのは作品と共に「言葉」を使いこなせるようになったことです。それが自分の中でいちばんの驚きでした。いままでは、「言葉」による表現が苦手でした。「言葉」というのは言えば言うほど説明的になってしまい、作品から遠ざかっていくような気がして。ですから「言葉」に頼らずに絵が描ければいいと思っていました。

 でも、展示を進めるにしたがって、「言葉」の次元が深く喚起されて、自分が考えているビジュアルやイメージを、「言葉」という道具を使って、もう一回絵を描くみたいなことが意識的にできるようになったんです。

 それは今回の展示にもすごく関連があって、神話というのは神様の物語でもあり、人間の話でもあります。動物の中で最初に言葉を話したのが人間であり、人間が言葉を話し始めた時、おそらく人間は動物と人間の世界を行ったり来たりしていた。私が犬だったり、犬が私だったり。概念的な「私」というものが確立されていない時に、物語が立ち上がってきたのだと思うんですね。その時、言葉を使えるようになった人間って、表現することの気持ちよさを味わったのではないかと思うんですよ。

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