『エキサイトイズム』サービス終了のお知らせ
この度『エキサイトイズム』は2019年9月30日をもちましてサービス終了をさせていただきました。
これまで皆さまに賜りましたご愛顧に心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

今週末見るべき映画「脳内ニューヨーク」

2009年 11月 13日 19:43 Category : Art

このエントリーをはてなブックマークに追加

 これは気宇壮大な映画、「脳内ニューヨーク」(アスミック・エース配給)は、脚本、監督のチャーリー・カウフマンの想像力が満ちあふれた、まさに映画でしか表現できないような世界が展開する。

 チャーリー・カウフマンは、「マルコヴィッチの穴」や「ヒューマンネイチュア」、「アダプテーション」、「エターナル・サンシャイン」の脚本を書いた才人。どの脚本も、豊かな想像力が、縦横無尽に広がり、多角的に人生の持つ意味を問いかけてくる。本作が初の監督作になる。


(C) 2008 KIMMEL DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.

 フィリップ・シーモア・ホフマン扮する私生活に恵まれない劇作家ケイデンが、大きな賞をもらう。その賞金で、ケイデンがイメージするニューヨークと、自分の人生を重ね合わせたような、大がかりな芝居を作ろうとする。「ここには恋愛、誕生と死、家族、すべてがある」と。

 ケイデンには、積極的に人生を肯定する反面、死のイメージがつきまとっている。医者に診てもらうと、かなりの重症なのにくわしいことは分からない。やたら、便の色を気にするが、これまたかなりの重症を思わせる。現に、ケイデンは自殺を試みる。ケイデンの死をめぐるイメージが、かなり頻繁に、濃厚に描かれる。


(C) 2008 KIMMEL DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.

 監督のチャーリー・カウフマンは言う。「死や病気、時の経過や後悔、恐れ、未知のものへの恐怖、私の考える恐怖を、すべて描きたかった」と。

 ケイデンの描こうとするニューヨークとケイデンの人生が重なりあって、次第に混乱が深まり、曖昧さが増していく。観客は、ことごとく曖昧なまま、この混乱とつきあううちに、映画を見る心地よい快感に襲われるようになる。

 チャーリー・カウフマンのイメージ豊かな脚本、演出は、これもまた映画と思わせて、驚くほど。

 ケイデンをめぐる女優陣が達者揃い。ことに、劇中でケイデン役を演じる役者が死んだあと、女性なのにケイデン役を引き継ぐダイアン・ウィーストが、もうひとつのキャラクターも演じ分けて圧巻である。

 映画そのものが、ケイデンの見た白昼夢かも知れないし、チャーリー・カウフマンの映画への夢かもしれない。

Related article

  • 『見逃した映画特集2014』。渋谷UPLINKにて上映開始
    『見逃した映画特集2014』。渋谷UPLINKにて上映開始
  • 今週末見るべき映画「メリエスの素晴らしき映画魔術」&「月世界旅行」
    今週末見るべき映画「メリエスの素晴らしき映画魔術」&「月世界旅行」
  • 今週末見るべき映画「ある過去の行方」
    今週末見るべき映画「ある過去の行方」
  • ブラインド・マッサージ 【今週末見るべき映画】
    ブラインド・マッサージ 【今週末見るべき映画】
  • 今週末見るべき映画「塀の中のジュリアス・シーザー」
    今週末見るべき映画「塀の中のジュリアス・シーザー」
  • 今週末見るべき映画「カフェ・ド・フロール」
    今週末見るべき映画「カフェ・ド・フロール」

Prev & Next

Ranking

  • 1
    「TORAYA CAFE」で寛ぐ新しい朝の時間
  • 2
    今週末見るべき映画「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」
  • 3
    「パーク ハイアット 東京」のクリスマス限定メニュー
  • 4
    森田恭通がデザインする「トラベルシリーズ 」が登場
  • 5
    台湾の故宮博物院とALESSIがコラボ
  • 6
    ヌード!ヌード!ヌード!篠山紀信がビルジャック
  • 7
    ジャポニスムの旗手、ホイッスラーの回顧展
  • 8
    アントニオ・チッテリオインタビュー、私は本当に「ふつうの人」
  • 9
    “食文化の発信基地に暮らす”「NODE UEHARA」の提案
  • 10
    ケアンズでおすすめ、シャングリ・ラ ホテル ザ マリーナ ケアンズ

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加