デザイン? アート?「鏡の髪型 清水久和」展

2010年 1月 1日 15:30 Category : Art

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 「鏡の髪型」というユニークな名前の展覧会が1月22日から、東京・勝どきの@btf にて開催される。


 鏡は本来、人の姿を写す役目をもつ、暮らしにはなくてはならないもののひとつだ。鏡は髪型を整えたり、身だしなみをチェックしたり、有史以来、人びとの暮らしに寄り添うように存在してきた。鏡のない時代には、人びとは湖の岸辺や雨上がりの水たまりに自分の姿や世界が映るのを見て、驚きとともに、畏怖の念をいだいたであろうことは想像にがたくはない。

 もし、人の姿を写す道具としての鏡に、あらかじめ髪型が付いていたとしたら? 人びとは鏡を前にして、まず、自分の姿を写す前に、そこに記された髪型の持ち主に思いをはせることになる。

 よくよく考えてみればそれは不自然なことだ。自分の姿やかたちを映すものであるはずの鏡が、その前に身を映すはずの自分の姿や、その時の景色のありようをではなく、そこにありのままに物質として存在する、抽象化された「鏡の髪型」の持ち主に思いをはせる触媒の役回りを演じてしまうとは。

 「鏡」という人の姿を映す機能をもったものが、その道具としての前提である機能を離れて、絵画や写真のように、あるいは見ることを促すアート作品や、聴くことを道理にする音楽のような存在として、生活に根ざした道具としての機能から離れてしまう瞬間がそこにはある。それは鏡にとっても私たちにとっても、有史以来、初めて経験するたぐいのセンセーショナルな事件ではないだろうか? 今回展示される作品群には、機能の転覆、あるいはモノが本来もつはずの用途の反転がある。

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