横浜美術館で「束芋:断面の世代」

2010年 1月 7日 00:00 Category : Art

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 横浜美術館で「束芋:断面の世代」展が開催中だ。今や日本を代表する映像インスタレーション作家である束芋(たばいも)は、今年、デビューから10年という節目の年を迎えている。同展は出展される6作品のうち、大型の映像インスタレーション5作品がすべて新作という、かつてない大規模なもの。国内の公立美術館では初めての個展開催となる。


《団地層》(イメージ)2009、映像インスタレーション Courtesy the Artist and Gallery Koyanagi

 1975年生まれの束芋。彼女には、つねに「最年少」という形容詞がついてまわってきた。大学の卒業制作として制作した映像インスタレーション「にっぽんの台所」は、キリンコンテンポラリー・アワード1999にて最優秀作品賞を最年少の23歳で受賞。2001年、第1回目の横浜トリエンナーレに「にっぽんの通勤快速」を出品した際も最年少の出品作家だった。振り返ると、つねに前人未到の道を歩んでいる彼女。これまでに数々の国際展やグループ展に出品を重ね、2006年には原美術館、パリのカルティエ現代美術館での個展開催、そして2007年にはヴェネチア・ビエンナーレ(イタリア館)にも出品を果たしている。

 この10年間、彼女の制作手法は一貫している。ドローイングを元にしたアニメーション映像を、平面ではなく立体的な空間に投影する。一度見たら決して忘れることのできない、現実と幻想の行き交う独特の映像世界。ぎょっとするようなおどろおどろしい描写が突如現れたかと思えば、心洗われる美しい風景が出てきて、片時も目が離せない。展覧会の会場となった横浜美術館はたいへん広い美術館だが、今回はその広さを存分に活用した展示となっている。

 まず最初に美術館の大きな入り口から、来場者は即座に束芋の世界に足を踏み入れることとなる。吹き抜けのエントランスで、天地を使って高さ8.6m のスクリーンに投影される作品「団地層」は、今回の展示全体を通してのテーマ「断面の世代」を端的に表す作品だ。

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