クリストとジャンヌ=クロード展 LIFE=WORKS=PROJECTS

2010年 3月 15日 00:00 Category : Art

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  1つひとつのアート作品は“プロジェクト”と称され、何年もかけて実現へと向かって行くのだが、もちろん実現できなかったプロジェクトもある。1961年から2009年までの49年の間に、彼らが実現したプロジェクトは合計24、何らかの理由で実現にいたらなかったプロジェクトは45以上。プロジェクトはつねに複数のものが同時進行で進められ、実現の目処が立った時点でそのプロジェクトに集中し、数年かけて物質的準備を行っていく。

 会場入り口では、彼らがこれまでに手がけてきたプロジェクト一覧を、佐藤卓氏によるデザインによる年譜でひと目で分かるように掲示されているが、それを見てクリスト氏自身も「感動した」と語る。年譜では各プロジェクトをスタートした時期と実際に展示を行った時期をわかりやすくタイムラインで表示しているのだが、わずか数日間の展示のために、数年から数十年といった途方もない準備期間を使っていることが一目瞭然。それはまさに、展覧会のタイトル通り、彼らの人生の軌跡とも言えるものだ。

 彼らの作品に取り組む姿勢は、実にシンプル。スポンサーは絶対につけない。招聘された場所や依頼されて作品を作るといった「人から頼まれる」ことはいっさい行わない。「私たちがつくり出したいのは、ジョイ(喜び)とビューティ(美)の芸術作品なのです。」との言葉通り、「自分たちが見てみたいもの、楽しむものをつくりたい」という非常にはっきりとした姿勢を貫いている。

 それはつねにインディペンデンスな存在であるということであり、「自分たち自身が感動できる、心を動かされるプロジェクトをつくること」のみを大切にするということでもある。極端なことを言えば、作品を見た人々がどう感じるかは、彼らには関係がない。もし人々が感動を共有してくれたならば「私たちにとって、それは“ボーナス”のようなものなのです」と語る。

「アンブレラ、日本=アメリカ合衆国 1984-91」(日本側)(© Christo, 1991, photo: Wolfgang Volz)

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