今週末見るべき映画「ザ・コーヴ」

2010年 7月 2日 18:00 Category : Art

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 今年のアカデミー賞、長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーヴ」(アンプラグド配給)の、6月26日に予定されていた公開が中止となった。

 映画は、古くからイルカ漁とともに生きる町、和歌山県太地町が舞台。アメリカからのクルーが、太地町のイルカ漁の様子を、秘密裡にカメラに収めようとする。映画は、このイルカ漁のシーンがクライマックスとなる。


 6月初め、配給元から公開中止の連絡があった。度重なる抗議の電話が劇場にあったこと。抗議による街宣活動の予告が劇場、関係者にあったこと。この2点が中止の理由である。抗議をしたのは、この映画を「反日映画」と理解した人たちからと思われる。配給側は、決して「反日映画」ではない、建設的な議論が必要、として、公開、上映の努力を続ける、とコメントを出す。

 6月4日には、ルイ・シホヨス監督、出演しているリック・オバリー氏のコメントが届く。監督は言う。「残念に思う。上映出来る映画館を見つけてくださるよう祈っている」 また、オバリーは、「憲法21条は守られるべき。知る権利、表現の自由は守られるべき。一部の人たちが、本作を見る権利を奪うことは、民主主義を脅かす行為と思う」

 6月18日には、2000人限定ながら、ネット上の動画配信サイトから無料配信される。6月21日、やっと劇場公開が決まり、その発表に合わせてのシンポジウムが開かれる。

 映画は7月3日(土)、シアター・イメージフォーラムほか、日本全国、たくさんの映画館での上映が決定。けっこうなことと思う。


 シンポジウムには、いろんな意見が出る。ジャーナリストの田原総一朗氏、映画監督の崔洋一氏がコメント。また、劇場支配人からのメッセージがいくつか紹介される。くわしくは、「ザ・コーヴ」の公式サイトほか、ネットでも読めるので、ここでは触れない。

 映画は、いわゆる「反日」というほどのものではない。太地町で古くから行われているイルカ漁の様子を、隠し撮りして映像に収めている。外国人がアメリカに行き、スーパーで売っている牛肉や、牛の屠殺を映像にして、アメリカの愛国者から「反米」と言われるかどうか。ありえないと思う。

 公開を妨害するだけで、逆に、なにか問題のある映画、ということで、宣伝になっている部分もある。「太陽」や「靖国」なども、そのいい例かもしれない。

 よく編集されたドキュメントである。事実誤認の部分があるとの声もあるが、まるでスパイ映画さながら、撮影という作戦を遂行するまでのプロセスを、サスペンスたっぷりに描いていく。

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