「オルセー美術館展2010—ポスト印象派」 見どころは?

2010年 7月 5日 14:00 Category : Art

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 東京・六本木の国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展2010—ポスト印象派」。過去最大規模の115点が一堂に会し、多くの話題を集めている。

 そもそも今回の展覧会サブタイトルにある「ポスト印象派」とは、何を指すのだろうか。この言葉は、1910年にイギリスの批評家・ロジャー・フライがフランスの新しい美術をイギリスに紹介する際に定義した「ポスト・インプレッショニズム(Post-Impressionism)」という名称によるものだ。

エドガー・ドガ「階段を上がる踊り子」(C)RMN(Musée d'Orsay)/Hervé Lewandowski/distributed by AMF

 そこにはモネやルノワール、ドガといった「印象派」の画家たちと、その後に登場したゴッホやゴーギャンといった画家たちとを明確に線引きすることによって、「ポスト印象派」の画家たちを強調する意図があった。

 そんな影響もあってか、「ポスト印象派」は「印象派」のアンチ・テーゼであり、20世紀の前衛絵画の登場を促す動向とこれまで見なされてきた。しかし、「ポスト印象派」の代表的な画家——ゴッホやゴーギャン、スーラやシニャック、セザンヌといった顔ぶれを見ても、それぞれの画風が大きく違い、ひとくちには捉えられないことがわかる。

 今回の展覧会では印象派を起点にして19世紀末から20世紀初頭の絵画を一堂に見せることにより、その時代の流れと画家たちの動向を俯瞰することができるようになっている。

 本展は、第1章から第10章までに分けて展示が行われている。最初に観客を迎えるのは「第1章 1886年——最後の印象派」。1886年は、最後の印象派展が行われた年。第1章の冒頭を飾るのは、エドガー・ドガの「階段を上がる踊り子」である。踊り子たちの何気ない瞬間の仕草を永遠にとどめた絵画にまずは引き込まれる。

クロード・モネ「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」(C)RMN(Musée d'Orsay)/Hervé Lewandowski/distributed by AMF

 そして、第1章の約半数を占めるのは「日傘の女性」、「睡蓮の池、緑のハーモニー」、「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」など、モネの作品たちである。最初の印象派展に出品したモネの作品「印象、日の出」が「印象派」の名前の由来となったのは有名な話だが、彼は1926年に亡くなるまで印象派の技法を追求し続け、ひとつのモチーフを季節・天候・時間によって描き分ける連作を多く手がけた。まさに印象派を代表する画家である。

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