デザインに意志ある有志が集まる―ジャパンクリエイティブ発足

2011年11月11日 17:41

 日本の技術とデザイナーをマッチングさせて、デザインプロダクトを生み出す。様々な団体、企業、組合、プロジェクトが、この大テーマに挑戦してきた。バブルの影響残る90年代には、ソットサスと日本の漆など、過去には夢のようなコラボも実現してきたのである。

 そして新しい時代を迎え、デザイン×技術は、特殊なオブジェではなく、暮らしに溶け込むことが求められるようになった。

 そんな中、クリエイターの発掘・育成を通した、地域産業および日本のデザインの活性化事業が2011年11月、発足した。これが「ジャパンクリエイティブ」だ。
名誉理事の内藤 廣氏と理事長の廣村正彰氏
名誉理事の内藤 廣氏(建築家)と理事長の廣村正彰氏(グラフィック・デザイナー) ©Nacása&Partners

 補助金や助成金頼みではなく、本当に「やりたい、成功させたい、売れるものを創りたい」と願う企業やデザイナーなどの有志が集った、意志あるプロジェクトである。11 月中旬に一般社団法人ジャパンクリエイティブとしてスタートする。

 技術を持つ日本のメーカーを探り出し、海外、日本のデザイナーとマッチングさせ、製品開発やマーケティングをサポートする。ひいては、その記録や文化を残し、伝え、発信する機能も担うという。プロジェクトは2年単位でまわり、きちんとゴールの見えるサイクルを目指す。

 今回参加する企業は5社。岩手の鉄器の及源。美濃の陶器、幸兵衛窯。静岡の特種東海製紙。電車やバスの内装から、トップメーカーの製品や宮内庁へ納入する家具の製造で知られるヒノキ工芸。そして倉俣史朗のプロダクト製造など、日本のインテリア界では伝説的なガラス加工技術を持つ三保谷硝子店。

 従来、こういった活動は地場産業や伝統技術を志向したプロジェクトが多かったが、この事業は、日本の得意とするニッチな最新技術や、意外と知られていない特殊技術にもスポットを当てている。

 デザイナーもおなじみの大御所ばかりではなく、新顔、意外な才能を発掘している。ジャスパー・モリソン(イギリス)のほか、ピーター・マリーゴールド(イギリス)など6名が起用された。ナチョ・カーボネル(スペイン)、ポール・コクセッジ(イギリス)、インガ・センペ(フランス)、ヨンギュウ・ウー(韓国)。

 そして特筆すべきは、3名の協力デザイナーの存在だ。無印良品に在籍していた角田陽太、大手家電メーカー勤務の経験を持つ倉本仁、家具ブランドで商品開発に携わった田渕智也と、単にデザイナーであるだけでなく、企業での開発を経験している。彼ら、「本当に日本の市場で売れるもの」をつくってきた人材が、メーカーとデザイナーのサポートに入る。

 過去を振り返れば、日本のメーカーと海外のデザイナーを繋ぐ企画はこれまでも、山のように生まれてきた。けれどもそれは大きな打ち上げ花火で終わってしまったり、デザインは素晴らしいけれど日本の暮らしにそぐわないものがあったり、市場的に大成功しているかは、疑問が残ったのである。

 おそらくこのプロジェクトでは、そんな状況にもきちんと向き合い、具体的な解決策を盛り込んで、練っていると見られる。まだまだスタート地点のプロジェクトだが、今後の活動には注目だ。

取材/本間美紀
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