1960年代の建築運動「メタボリズム」を一望、15日まで

2012年 1月 13日 20:23 Category : Design

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 東京・六本木の森美術館で「メタボリズムの未来都市展」が開催されている。メタボリズムとは日本発の建築運動で、1960年代に活発に展開され、その後世界でもその名を知らしめることになる。この言葉は「新陳代謝」を意味し、生命が新陳代謝を々ながら成長・変化していくように、建築や都市もデザインされるべきであるという理念に基づいている。

 展覧会は時代順に大きく4つのエリアで構成されている。「メタボリズム」の運動の始まりから興隆、世界的な展開までの約80のプロジェクトを、500点以上の模型や記録映像、図面やスケッチなどの貴重な資料と、展覧会のために制作されたCG映像等で見ることができる。

 最初の展示室は「メタボリズムの誕生」。メタボリズムという言葉が定義され名言されたのは、1960年。評論家の川添登、建築家の大高正人、槇文彦、菊竹清訓、黒川紀章、グラフィックデザイナーの粟津潔、インダストリアル・デザイナーの栄久庵憲司が「メタボリズム・グループ」を結成した。

 同年東京で開催された「世界デザイン会議」で『METABOLISM/1960─都市への提案』を発表。この部屋では、メタボリズム誕生以前の都市デザインの様子や、戦後復興における都市計画コンペ案といった戦中から戦後復興にまつわる資料、メタボリズム誕生までの時代背景が年表で記されている。

 メタボリズムというと、高度成長時代のユートピア的発想に基づいた都市計画というイメージだったが、最初の展示内容でまずそのイメージが壊される。メタボリズムの発想は、丹下健三が行った原爆により破壊された広島の「広島ピースセンター」に代表される復興都市計画等、戦後復興における住宅計画や都市計画からの影響を少なからず受けているということを示している。

 また、「世界デザイン会議」の際の資料も貴重なものばかりだ。当時500部限定で発行され関係者に配布された冊子『METABOLISM/1960──都市への提案』では、先の発足人たちによるメタボリズム宣言が記されている。

 「『メタボリズム』とは、来るべき社会の姿を、具体的に提案するグループの名称である。」「歴史の新陳代謝を、自然的に受け入れるのではなく、積極的に促進させようとするものである」といった内容だ。

 書籍のデザインは粟津潔。世界デザイン会議は、国際的に日本の建築やデザインを知らしめる絶好の機会であった。1960年は一年間日本がデザインイヤーとなり、各地で展覧会が開催された。資料一つ一つのデザインも注目すべきポイントである。

 世界デザイン会議でその思想が国内外に知れ渡ったメタボリズムだが、その後60年代には、次々とメタボリズムの考え方を継承するメタボリストたちの建築が世に送り出されていく。

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