特撮にみる職人の技術と匠の技。『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』

2012年 8月 1日 12:00 Category : Design

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 また本展では日本の展覧会にしてはめずらしく、館内での撮影が可能な『フォトスポット』が用意されている点も特筆したい。会場のアトリウムには、16メートル四方サイズの東京タワーなどのあるミニチュアの都市模型によるステージが出現し、看板や窓にいたる細部まで精巧につくられたミニチュアのビルが立ち並ぶ東京の街中で、巨大ヒーローや怪獣気分で記念撮影ができるのも楽しい。

特撮ミニチュアステージ

 先日行なわれた記者会見の席上で、特撮とアニメーションはどこかで共通するもので、そこにさほどの違いはないと語った庵野秀明監督。実際に展覧会をみて、アニメーションと特撮映画は、3Gと模型と表現手段こそことなるものの、そこでの表現方法には共通するものが多いことが、展示資料や特撮映像『巨神兵東京に現わる』を、ひとつの流れでみていくとよく分かるだろう。

 本展には3G映像技術が発達した今は失われつつある、特撮映像のおもしろさがふんだんに詰まっている。そして、大勢の人々が関わり、頭と手を動かし最善の映像のためにアイデアや知恵を出し合うという、特撮映像作品をつくるうえで欠かすことの出来ない、関わった人々の情熱や熱意など、その映像の外にあるもののすごさが、これらの展示にはみちている。特撮映像作品の面白さとともに、そんな映像作品を支えた日本の職人たちの手仕事の技術力の高さも同時にみていただけたらと思う。

チャメゴン 撮影用マリオネット ミニチュア「怪獣ブースカ」(1966年)高山良作

館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技
東京都現代美術館
開催中〜10月8日(月・祝)

取材/加藤孝司

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