バカラ・アルクール×nendoの魅力を、佐藤 オオキが語る

2012年 10月 26日 12:00 Category : Design

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 伊勢丹新宿店のメインプロジェクトとなる「Baccarat~はじまりから未来まで~」展。“現在”の展示では、バカラを代表するシリーズ「アルクール」にフォーカス。世界中のセレブリティに愛用されている「アルクール」は、今までも様々なデザイナーによりアレンジされてきた。今回の展示で見どころは、やはり本展に合わせて新たにnendoがデザインした実験的シリーズ「Harcourt ice(アルクール・アイス)」と、グラスをかざして重なり合う絵のフュージョンを楽しむシリーズ「Harcourt fusion(アルクール・フュージョン)」(同じくnendoがデザイン)の2シリーズだろう。エキサイトイズムではnendoの佐藤 オオキ氏にインタビューを実施。佐藤 オオキ氏がバカラ・アルクール×nendoの魅力を語った。


―まず、今回バカラとのコラボレーションで”アルクール”をテーマに2つのシリーズが完成しましたが、ひとつひとつのシリーズのアイデアや制作プロセスなどについいてお聞かせください。

 今回、デザインさせていただいたのは、ひとつが「アルクール アイス」、もうひとつが「アルクール フュージョン」というシリーズです。実際にプロジェクトが始動した8月はあいにくフランスがバカンス時期という条件下でどれだけのことに挑戦できるか探りつつ、「既存のアルクールのデザインに何か少し手を加えることで、アルクールの魅力を引き出してほしい」というお話をもとにデザインを提案させていただきました。

 まず、最初に思いついたのが「アイス」でした。やはりバカラのクリスタルはその透明度や独特な光の屈折が美しい。まるで凍結している「氷」のように美しいエッジの魅力をさらに引き出すにはどんなことができるだろうかと考えた際に「氷が固体から液体に変化していく際の圧倒的な美しさやその瞬間をとらえるような、“溶かした”ような表現ができないだろうか」というアイデアに行き着きました。そこで、バカラの方たちとあらためてパリでお会いし、アルクールの“エッジをあえて溶かす”という案を実現できるかどうか、その可能性についてお話させていただきました。

―“溶かした”ような表現は、一見シンプルなアイデアですが、クリスタルにおいてはかなり実験的な提案ですよね。

 まず、バカラの方たちとお話した際に、グラスの制作工程の中に酸を使って表面を滑らかにするというものがある。それでどうにかアプローチできないかという話になりました。ちなみに、その工程は、カットしたクリスタルのエッジに研磨をかけていく最終工程において、最後は酸につけて表面をわずかに溶かしながら磨き上げていく技術のことなのですが、「それでは、その工程で酸の中にもっと長く浸けておくことができないでしょうか」と相談させていただき、本来であれば、わずか数分しか浸けない酸の中に1時間つけたらどうなるのか、まずはやってみましょうと、そうして「アイス」のアイデアを実現に向けて進めることになりました。

―「アイス」はその方法でスムースに実現されたのでしょうか?特に苦労された点などあれば、お聞かせください?

 いざ作業にあたってみるとやはりひと筋縄ではいかなかったですね。理想の仕上がりを実現するにはこのままの形では難しいので、既にカットされているエッジ部分をさらにカット(エッジを深く)し、酸を使う工程もさまざまな試行錯誤がありました。さらに困難だったのは、やはりこの飲み口の部分は変えたくなかったので、その一カ所だけはエッジを残したかった。他は溶けているけれども、1カ所エッジを残すことによって、アルクールのエッジが本来持つテクスチャーや美しさが引き立つのではないかとも考えました。そこで、徐々にグラデーション状に溶かすことができないかどうかを職人さんと模索しました。アイデアはとてもシンプルなのですが、バカラの職人さんのスキルの高さや経験値がなくては実現できなかったと思います。

―完成した「アイス」を実際に手にされてどう感じられましたか?

 やわらかくて手に吸い付くような感触が印象的でした。まるで、長年握って使っていたら角が落ちてきてこうなったんじゃないかって感じるような、言い換えれば、川に落ちている小石の角が自然の流れで溶けてなくっていったような、とても親しみやすい形状・触感だと感じました。

 シルエット自体も結構変わっているんですよね。その差はパッと見た感じではわかりにくいのですが、実際にオリジナルのアルクールと並べていただいたり、手に取って頂くとお分かりいただけるかと思います。もともと足の部分はズッシリとした重量感が特徴的だったのですが、「アイス」は角がだいぶ溶けてエッジが無くなっているのでシルエットもかなりタイトになりましたし、手に持ったときの重量感もかなり違うように感じます。


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