昔ながらの釜炊き製法の技術を使った松山油脂の“典型石けん”

2012年 12月 13日 08:00 Category : Design

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 東京スカイツリー開業をきっかけに、スタートした「すみだものづくりコラボレーション」。墨田区で生み出される商品やサービスを通じて、地域を活性化させようという試みです。明治時代から墨田区でものづくりを営む老舗企業のひとつとして、この取り組みに参加したのが松山油脂。昔ながらの釜炊き製法の技術を使い、最もベーシックな“典型石けん”を2種類完成させました。石けんは、よく知っているようで、じつは知らないアイテムのひとつです。松山油脂・営業企画部の石戸彩子さんに墨田区と石けんの歴史について伺いました。

-ドラッグストアなどでよく見かける松山油脂の無添加石けん・シャンプーが、まさか墨田区で作られているとは思ってもみませんでした。

 墨田区内で石けんづくりが始まったのは明治時代までさかのぼるんです。松山油脂も1940年代後半から石けんをつくりはじめ、現在は主に墨田工場で固形石けんと液体石けんのベースとなる石けん素地、富士河口湖工場で化粧石けんや透明石けん、スキンケア製品を製造しています。

-墨田工場では今も変わらず、“釜炊き製法”で石けんを作られているとか。

 そうですね。無添加石けんは昔ながらの製法で原料の仕込みから仕上げまで100時間近くかけて、炊きあげます。“釜場”にある2メートル近い釜に、天然の油脂と苛性ソーダを入れ、熱を加えるため、夏場は40度以上もの暑さになります。

-かなり大変な作業ですよね。

 機械では計測しきれない、微妙な反応をスタッフがつきっきりで見守ります。石けんは工業製品ですから、安全面や品質はもちろん大切ですが、同時に“手作り”の良さも大切にしたいというのが、松山油脂のモットー。高品質と素朴なものづくりを両立させるのは並大抵のことではありませんし、現場のスタッフの技術と尽力があってこそ、ですね。

-今回、新たにラインナップに加わった「典型石けん」も、やはり釜炊き製法で作られているのでしょうか。

 「典型浴用石けん」も「典型洗顔石けん」も釜炊き製法を使っています。ただ、その後の過程はそれぞれ違います。まず、「典型浴用石けん」は釜からくみ上げた石けん素地を「クーリングプレス」という機械で冷やし、固めます。一方、「典型洗顔石けん」は保湿成分を加え、乾燥・熟成させるんです。

-作り方が違うと、やはり、使い心地も変わってきますか。

 典型浴用石けんに使っている、クーリングプレスは日本国内にもほとんど残っていない希少な機械なのですが、この製法で作った石けんは泡立ちが良い一方で、溶け減りしにくく、最後まで使い切れるという特徴があります。典型洗顔石けんは洗浄力がマイルド。ひとつひとつ、手で磨きあげた透明度の高さも自慢のひとつです。

-子供の頃、母親が大切に使っていた石けんを思い出します。勝手に使おうとすると「お母さんのだから、ダメ」と叱られたような……。

 香りも、モニター試験を重ねて、「石けんの匂いといえば、これ」と思えるような、懐かしく心地よい香りを選んでいます。典型浴用石けんはムスク系をベースに、フローラル系の香りを組み合わせました。逆に、典型洗顔石けんはフローラル系と柑橘系をベースに、ムスク系の香りをアクセントとして加えています。

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