硝子に刻む伝統技術「廣田硝子」

2013年 1月 29日 12:40 Category : Design

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 日本の近代的なガラス製造の歴史は明治以降。1000年以上もの歴史を持つヨーロッパとすれば、歴史の浅い“ガラス後発国”にありながら、欧米のラグジュアリーブランドをはじめ、各国で高い評価を集める廣田硝子。江戸切子をはじめとする、伝統技術を受け継ぐ職人や工場と提携しながら、大量生産とは一線を画した独自のものづくりを展開する。伝統を守りながら、海外にも積極的に進出する4代目社長、廣田達朗さんにお話を伺いました。

-東京にはじつは、有数のガラス産地だったという歴史があるんですね。

 古くは江戸時代にはじまり、大正から昭和にかけては海外へも輸出していたほど、ガラス製造が盛んでした。ただ、その後、海外から安価な製品が輸入されるようになると、国内の生産量は減ってしまい、今では都内のガラス工場も数えるほどになってしまいました。

-大量生産の波が押し寄せ、つくり手が減ってしまうという現象は、あらゆる伝統産業が直面している問題のようですね。

 効率化や合理化を推し進めた結果、細かい工程を行える職人がいなくなってしまう。昔ながらの技術をどのように継承していくか、そのためには新しい商品、ニーズを掘り起こしていくことも欠かせません。

-2009年から海外の見本市にも積極的に出展されているとか。

 ちょうどその頃、経済産業省が日本の生活関連アイテムの海外販路開拓をサポートする事業を始めたんです。「国の補助があるなら……」と試しに出展してみたところ、想像以上の手ごたえが得られた。もともと、1950年代から1970年代にかけては海外輸出をしていたこともあり、改めて、海外もひとつの市場として捉えてみようと考えたんです。

-「東京復刻タンブラー」は、まさに1956~58年にかけて製造され、海外に輸出されたカットグラスを復刻したものですね。

 溶けたガラスに職人が息を吹き込んで成型する「型吹き」という技法を使い、通常のタンブラーよりかなり薄手に作られています。

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