太宰府 竈門神社新社務所計画プロジェクト。Wonderwall 片山正通氏、ジャスパー・モリソン氏インタビュー。

2013年 2月 7日 08:00 Category : Design

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 今年、御鎮座1350年の年を迎える、福岡県太宰府市にある宝満宮竈門神社(かまどじんじゃ)。その記念の年をむかえるにあたり、社務所および参集殿の建て替えが計画され、このたび竣工、そのお披露目会が昨年12月におこなわれた。

 竈門神社がある宝満山は、太宰府天満宮などがある太宰府の町からみて、鬼門にあたる北東の方角に位置する。大宰府政庁がこの地に設置された天智天皇3年(664年)に、鬼門封じの祭祀がその山の麓で執り行われたことに起源をもつ竈門神社は、太宰府鎮護の神様、方除けや吉方参り、厄除けの神社として信仰されている。また天智天皇12年(673年)に、心蓮という僧が山中で修行中に、その目の前に玉依姫(たまよりひめ)が現れたとされることから、竈門神社はその守護により、縁結びや子授け、安産の祈願として信仰されるようになる。縁結びは男女の縁だけでなく人と人との良縁を結ぶともされ、福岡地方を中心に広く信仰されている神社である。

 今回新しくなった社務所は、由緒ある竈門神社の長い歴史のなかに位置づけられ、100年愛される建物をコンセプトに計画。建築は、日本各地の神社建築を数多く手がけることでも知られる、神社建築のエキスパート種村強氏が担当。その建物の一角に設けられたお札および御守り授与所のインテリアデザインを、世界的なインテリアデザイナーであり武蔵野美術大学 教授も勤めるWonderwall 片山正通氏が、社務所の展望テラスにおかれるベンチとチェアのデザインを、世界的なプロダクトデザイナーであるジャスパー・モリソン氏が手がけた。

 新社務所の屋根は、伝統的な民家にみられるむくり屋根を採用し、新社務所と向かい合うように立つ、拝殿の反り屋根と対比させている。屋根の素材には耐久性が高く、経年変化も見込まれる銅板が使われている。L字型のプランをもつ建築は、社務所とともに参集殿も兼ね、大広間は結婚式の待合などにも使われる。

 内部は、ところどころに彫刻などの装飾がほどこされ、欄間には竈門神社の御神紋である桜の花の透かし模様が入れられたガラスがはめこまれている。室内を構成する材には良質なクスノキを使用し、内装の一部には、工事の際敷地を掘り返したときにでた石を再利用している。照明は省エネ効果の高いLEDを採用。真新しい大広間の畳の下には床暖房が仕込まれており、現代的な快適さも兼ね備え、ふすま越しには、山側の美しいもみじのある借景を楽しむことができる。鉄筋コンクリート造の建物に、クスノキを材としたインテリアで、木造の雰囲気をだし、鉄筋コンクリートの建築のなかに木造建築をつくったような建物となっている。

©Nacasa & Partners Inc.

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