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時を経た植物の美しさ。叢(くさむら)小田康平氏インタビュー

2013年 5月 14日 08:00 Category : Design

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-そういった意味では、力強さ、逞しさ、といったものが小田さんが植物を選ぶときの基準になっていると思うのですが、それ以外に小田さんならではの植物選びの基準はありますか?

これまで植物の世界では一般には流通していなくて、僕が流通させているものに「親木」(おやぎ)というものがあります。これまでは、サボテンや多肉植物を育てている人たちだけが目にしていたものです。親木になる植物の新芽を、ある程度の大きさになるまで育て、その新芽だけを市場で売ります。それを今度は花屋さんが世間に流通させるんです。そうやってどんどん生産されていくのですが、その元になっている親木、原木が僕はカッコいいと思っていました。だから、叢では親木も積極的に扱っています。

そんな親木の中でも、特に好きなのは、そこに、さらに違う植物を接ぎ木したものです。接ぎ木というのは、おおまかに言うとふたつの違う植物を、切り口をうまくつなげてひとつにすることです。では、サボテンの世界でなぜ接ぎ木をするかと言えば、めずらしい植物をはやく育てて売りたいからです。

生命力が強い台木に接ぐことで、通常の3倍速くらいで育てることができます。生産者にとっての売り物は、そのめずらしい植物の方だけで、そのふたつがくっついたままの状態は、売り物ではありません。でも、叢では、接ぎ木のままの植物をたくさん扱っています。見た目のインパクトや、面白いと感じてもらえる組み合わせを意識して選んでいます。最初に「?」と不思議を感じてもらうことで、これまでは、あまり植物に興味をもっていなかった人たちにも、植物の世界に入ってきてもらいたいと思っているんです。

-僕も小田さんがご紹介されている、接ぎ木されたサボテンのユニークなフォルムにまずひかれました。アンバランスなバランス、というか、まるで現代アート作品みたいだと思いました。それは自然ではありえない、人間の見立てだったんですね。では、そのような美しいバランスをもった接ぎ木を、小田さんはたくさんの植物のなかから、見立てているわけで、今まではそのようなものを一般に販売している人はいなかったというのは不思議ですね。

仕入れる人はいたかもしれませんが、それはあくまで親木にするためで、植物が持つ美しさで選ぶというのとは少し違うのだと思います。僕は、農家さんが接ぎ木をしているものの中から、全体のバランスや上にのっているものの品種などを考えて、チョイスしています。接ぎ木も、バランスや偶然の見立ての美しさにくわえ、時間を経ることでさらに風合いがでてくるんですね。選ぶもののなかには、接ぎ木をする際に巻きつけた糸が、生長しても外されず残ったままのものや、親木にマジックで目印として文字を書いたままのサボテンもあります。そういうものを、あえて選んでいるんです。


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