建築家 丹下健三の瀬戸内。「丹下健三 伝統と創造 瀬戸内から世界へ」展

2013年 9月 10日 12:00 Category : Design

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東京帝国大学(現在の東京大学)の建築学科の学生時代に卒業設計として描いた複数のパース画「芸術の館」(1938年)には、当時の西欧のモダニズム建築からの影響を吸収した、若き丹下のみずみずしいまでの思考の痕跡をみることができる。


広島で学生時代を過ごした頃のスイス人建築家ル・コルビュジエの作品との出会い。東京帝国大学へ進学、そして建築家への歩み。第二次世界大戦という激動の時代のさなか、父危篤の報を受けて今治に帰郷途中に広島に原爆が投下された。そして、広島への原爆投下と同日に、故郷、今治への空爆で最愛の母を失う。広島はまた丹下にとって、多感な学生時代を過ごした思い出深い場所だった。

本展の第二部として構成される「伝統を創造する 1946-58 広島から香川へ」では、そんな丹下の万感の思いが込められた、広島計画から香川にいたる資料をみることができる。

丹下初の実作となった広島ピースセンター(広島平和記念資料館および平和記念公園)。それは、原爆投下の翌年に調査のために生々しく瓦礫の残る広島に足を踏み入れて以来、足掛け9年の時を経て1949年に行われた設計コンペに丹下が勝利し、1955年に完成した国家規模といってもいい一大プロジェクトだった。

広島への原爆投下から10年、戦後復興間もない広島の土地にたちあがった広島ピースセンターは、近代建築におけるモダニズムを自身の体内に、自らの作風に消化して完成させた、記念すべき処女作である。それと同時に、強い軸線をもち、広場を中心とした丹下の都市計画のビジョンを具現化した、文字通りの最高傑作のひとつとして、当時の海外のメディアにも取り上げられ、丹下の名を一躍世界中に知らしめた。

photo:ホンマタカシ

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