Interview:ピエール・シャルパン氏・ジャパンクリエイティブ

2015年 1月 5日 08:00 Category : Design

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フランス人デザイナー、ピエール・シャルパン氏は1962年生まれのフランス人デザイナー。そのシャルパン氏が今回、ジャパンクリエイティブの参加デザイナーとして、福井県の繊維資材製造の分野でのトップランナーSHINDOの技術でつくられるシリコーンに向き合う。シリコーンとは柔軟性と通気性に富み熱と寒さに強く絶縁性が高い電気特性をもった素材。SHINDOは最近では義足を快適に装着するための軽量なライナーを一体成形で製造する技術を使って開発し国内外で話題になっている。

ジャパンクリエイティブは、マレビトである海外のデザイナーと日本の伝統工芸、産業、先端技術という日本のものづくりの現場とのコラボレーションプロジェクト。

ピエール・シャルパン氏はアレッシィなど世界的な企業で作品を発表、2005年からはパリのデザインギャラリー「ギャラリークレオ」でのユニークピース作品の制作にも取り組んでいる。クラフトを手法に現代の素材や技術でミニマルなかたちに落とし込むシャルパン氏のデザインは、フランスのコンテンポラリーデザインを牽引する一人として評価が高い。今年はフランス・マルセイユにある建築家ル・コルビュジエが設計した集合住宅ユニテ・ダビタシオンの、オリジナルコンディションで現存する50号室でのインスタレーション展示企画「アパルトマン50」の5人目のデザイナーとして参加。現在注目を集める世界的デザイナーの一人である。

今回はシリコーンを素材に日用品のデザインを手がける。福井県のSHINDOの工場でのリサーチから戻ったばかりのシャルパン氏に、シリコーンという素材、日本のものづくりの技術についてジャパンクリエイティブでのものづくりへの意気込みをうかがった。

-福井に行かれたそうですが町の印象はどのようなものでしたか?

ピエール・シャルパン氏:2日滞在しました。今回コラボレーションさせていただくSHINDOさんの工場のまわりには見渡す限り田畑が広がっていました。工場と田んぼと家が近いエリアでミックスされているような町でした。

-SHINDOさんの技術力についてどのような印象を持たれましたか?

シャルパン氏:まず今回見せていただいたあらゆるプロセスが、プロフェッショナルで正確な仕事をされているという印象を持ちました。訪れたのは製品を大量生産する工場ではなく、ひとつひとつのプロセスが手作業で行なわれているプロトタイプを制作する実験的なアトリエでした。私にとってシリコーンは初めて取り組む素材で、私自身素材についての知識は事前にはあまりありませんでした。いろいろな生産のプロセスを見せていただき勉強させていただきました。それと工場の方にとても歓迎していただいたのが印象に残っています。


-今回、シリコーン製造のさまざまな行程をご覧になったと思われますが、特に印象にのこったことはどのようなことでしょうか。

シャルパン氏:いろいろな生産プロセスを見せていただいたのですが、シリコーン製の時計のベルトのようなシートものも手がけておられるのですが、特に印象深かったのが立体的なものを一体成形でつくる技術でした。SHINDOさんはおもに製品の部品となるような中間原料を多く製造されているのですが、義足を装着する際に使用するシリコーンライナーをつくられていてその技術が素晴らしかったです。そのプロセスというのは、通常であれば型に樹脂を圧力を使って流し込むのですが、それとは逆で型に液体状の樹脂を流し込んでその上からプレスをすることで形が立ち上がってくるようなつくり方をされていました。それが他の樹脂製品のつくり方とは異なっていてとても興味深かったです。平面的な製品の凹凸や穴をあけたりという技術も、ディテールもものすごく正確で驚きました。

-ガラスやセラミックなど、今までさまざまな素材を扱ってこられたと思いますが、シリコーンという素材についてどのような印象を持ちましたか。

シャルパン氏:私はデザインをする際にまず素材を決めてからデザインをするというプロセスをとってはいません。これからその可能性を広げていきたいと思っているのですが、シリコーンという素材がもつ柔軟性がおもしろいと思いました。シリコーン素材は陶器やガラスと同じように、表面の仕上げをマットにしたり光沢をもたせたり自由にすることができます。陶器と違う点は、ガラスのように素材そのものを透明にしたり半透明にしたりできることです。ですが当然ながらシリコーンの可能性というものをすべて理解しているわけではありませんので、これから少しずつ発見していこうと思っています。

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