吉岡徳仁の描く未来へのビジョン|革新し続けるデザイナー 吉岡徳仁(5)

2015年 1月 26日 08:04 Category : Design

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つねに進化し続ける吉岡徳仁氏の深淵なデザインマインド。その作品は驚きとともに、人びとの感覚を心地よく刺激し、そしていつしか暮らしやイメージの中にすっと溶け込んでいく。それを目にするまで、誰も目にしたことのないかたちでありながら、今までそこのあったものであるかのような自然な佇まい。それは光や空気というものが目に見えないものでありながら、さまざまなものに影響を与え、輝きと驚きをもたらすことに似ている。吉岡徳仁氏のデザインに特徴的な、物質がもつ概念を超越した普遍性が、今この時代にあって新しい価値を持ち得ているからにほかならない。

- 吉岡さんが考えるデザインの未来とビジョンを教えてください。

自分自身に対してもそうなのですが、それをみた人の感情が変化するようなものを作りたいといつも思っています。そういった意味では仕事としてのみならず、より自由な発想をベースにした作品も手がけていきたいと考えています。


- それはコンセプトを際立たせた、よりアートに近いものという意味でしょうか?

工業製品のデザインに関わりながら、同時により広い意味での価値を創造するような作品を手がけたいと思っています。そこでの対象に向かう視点は、デザインよりアートに近い場合と、工業製品により近い場合のふたつがあります。これまでの経験から、いずれ、そのふたつは共存していくのではないかと思っています。

その根底にある考えは、これまで不可能だと考えられてきたことを、問い直すことで可能にしたいという思いです。実際に今も実現させてみたいアイデアが頭のなかに無数にあって、プロジェクトとプロジェクトのあいだにその思考をより具体的なものに深めることを継続しています。それが新しいプロダクトのデザインに結びつくことや、プロジェクトのアイデアにつながることがあります。

- 吉岡さんのその原動力となっているのはどのようなことでしょうか?

まずは自分自身が今までにないものを見てみたいという思いがあります。本当の意味での"新しいもの"が生まれにくい時代ともいえます。例えば携帯電話のデザインでも同じデザインがリピートされることで新鮮さを失っています。すでにさまざまなものがある中でも、それを見た人がワクワクするものを作りたいという想いです。

もうひとつは、例えば音楽のようにデジタル化に伴い、物質そのものがなくなりつつあるものが増えてきています。テレビのデザインも、フレームがなくなり画面のみが存在するようになってきたり、デザインする部分がなくなって来ています。これ以上新しいものはないだろうと思われているところを掘り下げていくこと、誰もがこれまで見たことのない新しい形、新しい価値観を提案することに興味があります。

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