これからの都市のビジョンとは?|ゲルフリート・ストッカー氏インタビュー

2015年 4月 15日 08:05 Category : Design

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アルスエレクトロニカはオーストリア第3の都市リンツにおいて35年にわたってアートを触媒に都市を発展させてきたアートセンター。世界最大規模のデジタルアート、メディアカルチャー展を1979年よりリンツ市において開催し、市の産業、教育、観光などさまざまな面において地域社会の活性化に貢献し、アートにおける街との関わり方のモデルを提示してきた。

アルスエレクトロニカには日本からも多くのアーティストが参加。毎年9月開催のアルスエレクトロニカ・フェスティバルは最先端のアート、テクノロジー、サイエンスの国際展として盛り上がりをみせている。また市民とアーティストらをつなぐ場としてのアルスエレクトロニカ・センターを立ち上げたり、デジタルアートに関する権威あるアワード「プリ・アルスエレクトロニカ」も設立し、アートの世界のネットワークづくりにも貢献している。さらにアルスエレクトロニカ・フューチャーラボではメディアアート研究所として世界のビジネスとサイエンスをつなぐ実験的で実践的な取り組みを展開している。

Ars Electronica Festival(2015年9月4日〜7日、オーストリア・リンツ市)/Photo:Kazuhiko Washio

そのアルスエレクトロニカで1995年からアーティスト・ディレクターを務めるのが、アルスエレクトロニカのブレインといわれるゲルフリート・ストッカー氏。

Future Catalysts PLATZ Vol.1(CREATIVE QUESTIONS to design your CITY~みんなのクエスチョンが描く、「まち」の未来~)/Photo:Shingo Mitsui

来日中のストッカー氏にアルスエレクトロニカの活動と、2014年にスタートした博報堂との共同プロジェクト「Future Catalysts」について話をうかがうことができた。

-アルスエレクトロニカは1970年代後半に、アートによる地域再生の取り組みとしてスタートしたそうですが、その取り組みについて教えてください。

アルスエレクトロニカはオーストリアのリンツ市で1979年にスタートしました。アルスエレクトロニカは、アート、テクノロジー、ソサエティという3つの基本的な考え方をベースに取り組みを進めています。そこでは最新のテクノロジーの実践だけではなく、研究機関としてそれをいかに社会に接続できるかを考えながら取り組みを進めています。

ここ数年では新しいテクノロジーを使って、社会を変革するという取り組みは、多くの注目を集めていますが、当時ではこのような取り組みは珍しいものでした。その先駆けのひとつがアルスエレクトロニカの活動です。

アルスエレクトロニカでは新しいテクノロジーの発展において人間的な感性を大切にしています。それはアーティストがもつ視点をいかに社会に適合させるかということでもあります。それをつきつめていくことによって将来の進化に寄与できるアイデアが生まれるのではないでしょうか。

-具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。

アルスエレクトロニカは設立当初からアーティストの作品を美術館の外に展示することにも注力してきました。それはなぜかというと、美術館やギャラリーという限られた場所に訪れるオーディエンスたちだけではなく、アートを触媒に新しい価値観を生み出し共有するためには、不特定多数のオーディエンスと関わりをもつことが大切だと思っているからです。

スマートフォンもそうだと思うのですが、現代のテクノロジーはその効果的な用い方の開発だけではなく、そこから生まれるコミュニケーションを他の言語に変換したり、よりインタラクティブなものにすることに意味があると思っています。アルスエレクトロニカはより多くのオーディエンスと関わりをもちながら、彼らに主体的に参加してもらえる方法をつねに考えています。

かつて工業都市として栄えたリンツの街の経済は現代ではハイテクや最新のテクノロジーによって支えられています。もちろん経済だけではなく、街にはアーティストによる、社会やコミュニティというもののあり方に対するよい影響も定着し始めています。

この街でアルスエレクトロニカが活動をすることによって、モダンで、フォワード・シンキング(=将来を見据えた思考)ができる都市への変化を加速させているのです。

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