紙にまつわるプロダクトと活版印刷、パピエ・ラボ

2007年 6月 21日 16:00 Category : Design

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 「紙」と「活版印刷」というアナログな観点から出発し、デザインの新たな可能性を探る実験室、「PAPIER LABO.(パピエ・ラボ)」がオープンした。

 取り扱うのは、ステイショナリーや本といった紙にまつわるプロダクト。オリジナル商品と、世界各地で出会ったさまざまな風合いの紙製品が並ぶ。決して派手なラインナップではないが、商品一つひとつのセレクトにはこだわりが感じられ、店全体で独自の世界観を醸し出している。

 お店を立ち上げたのは、ランドスケープ・プロダクツのデザイナー江藤公昭さん、アートディレクターの高田唯さん、SAB LETTERPRESS主宰の武井実子さんの三人。出会いは、本年6月に世田谷文化生活情報センター生活工房で行われた展示「活版再生展」。展示の企画を通して話が盛り上がり、トントン拍子で今回のオープンにたどり着いたそう。
 
 「武井さんがディレクションを努めた『活版再生展』で、私と高田さんは初めて出会いました。紙や印刷、現在の紙製品に対する三人の思いや、好きな風合いで共通することが多く、すぐに意気投合したのです。今の日本のステイショナリーで素敵なのも多いのですが、どこかキレイ過ぎるような気がした。また、一点ものの高級な手すき和紙のようなものは、確かに美しいのですが身近には感じられない。どこか工業的な雰囲気を感じる、少し粗い造りのボール紙や、ちょっとゴミが混じったようなわら半紙の風合いが好き、ということで三人の好みが一致したのです。感覚的なものなので、言葉にするのは難しいのですが」(江藤さん)

 その言葉にできない部分も、店内のラインナップを見れば納得できるだろう。


 たとえば、オリジナルで展開しているレターセットは、カラーは白一色のみ。そして、余計なデザインは一切排除し、ぽつんと慎ましく端の方にロゴがあるのみだ。右下にはショップ名がプリントされているが、これを自分の名前にして往年の作家のように、自分専用の原稿用紙を作ることも可能だ。どちらも活版印刷で作られている。

 アートディレクターの高田さん曰く、
「デザインをしない、というのがこのステイショナリーを作るうえでの最大のテーマでした。このロゴは、裏から文字が浮き出てくるように活版でプレスをしています。また、紙は手触りがよく、ペンの乗りもいいものを選びました。」

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