世界の90%の人たちを相手にするデザインとは?

2010年 6月 8日 20:00 Category : Design

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 私たちが日々目にしている「デザイン」。洋服や日用雑貨、車、お菓子のパッケージなど本当にたくさんのデザインで世の中は溢れている。しかし、そのデザインが世界の人口の約10%を対象にしたものという事実をご存知だろうか。

 現在、東京ミッドタウン・デザインハブとアクシスギャラリーで開催中の「世界を変えるデザイン展」には、いつも見て触れているデザインとはまったく違う世界のプロダクトが並ぶ。それは、残りの90%の人たちを対象にした、「生きのびるための」デザインである。

 東京ミッドタウン・デザインハブでは、まず最初に認識して欲しい各国の問題を、映像やパネルなどで表し、それに対してどんな製品が開発されたかが提示されている。

 対し、アクシスギャラリーの会場(下写真)では、ジャイプールフットや100ドルPCを含む約20のプロジェクトをピックアップし、一つひとつのプロジェクトがどのようにして展開されたかが掘り下げて説明されている。


 「世界を変えるデザイン展」は、株式会社グランマの代表を務める本村拓人氏が発起人となる「世界を変えるデザイン展」実行委員会によってオーガナイズされたもの。

 代表の本村氏は、米国留学中に世界で起きているBOP(Base of the Piramid)層の問題に直面し、新しいプラットフォームを作るべく2010年4月に株式会社グランマを設立。2007年にニューヨークのスミソニアン/クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館で開催され、書籍化もしている「Design for the Other 90%」(邦訳本のタイトルは「世界を変えるデザイン──ものづくりには夢がある」英治出版)に感銘を受け、ミッドタウン・デザインハブとアクシスギャラリーの2ヵ所で展覧会を行うことになった。

 BOPとは、「所得別人口構成のピラミッドの底辺層を指す。世界人口の約7割に相当する約40億人が、年間所得3000ドル未満の収入で生活しており、その市場規模は5兆ドルに上ると言われる。BOPビジネスとは、企業が途上国においてBOP層を対象にビジネスを行いながら、生活改善を達成する取組のことである。慈善事業ではなく、持続可能性のある本業のビジネスとして行う点において、CSR活動をさらに発展させたものと言える」(経済産業省ウェブサイトより)

 まずは、ミッドタウンの展示から紹介しよう。「water」「food」「energy」「health」「housing」「mobility」「education」「connectivity」というカテゴリに分けて、プロジェクトやプロダクトを紹介。それぞれのカテゴリをアイコン化して、プロダクトを見た時にひと目でどんなものなのかが分かるようにデザインされている。

 例えばこれは、「Jaipur Foot(ジャイプールフット)」という製品。義足の一種なのだが、通常の義足は約8,000米ドルと高価なのに対し、この製品は約30米ドルで製造できる。現地の人でも作れるよう配慮されており、技術教育も同時に行われる。これをデザインしたのは、インドのマスター・ラム・チャンドラ・シャルマ、P・K・セッティ博士。アフガニスタンやイラクなど22ヵ国で使用されている。

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