『エキサイトイズム』サービス終了のお知らせ
この度『エキサイトイズム』は2019年9月30日をもちましてサービス終了をさせていただきました。
これまで皆さまに賜りましたご愛顧に心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

アラエイティでなお意気盛んな靴職人、エンツォ・ボナフェ

2014年 1月 17日 17:00 Category : Fashion

このエントリーをはてなブックマークに追加

fatto a mano--ファット・ア・マーノはイタリア語で手づくりを意味するフレーズだ。グッドイヤーウエルト製法と呼ぶ機械製靴にこれ見よがしに刻印されていると、よくやるなぁと思う。いや、一度でもファクトリーを訪れればわかるが、機械といってもほんとうにクラシックなものである。肝心なところは職人の経験に委ねられる点で、そういいたくなるもわからなくない。

とはいえ手製と機械製では職人の技量も労力も、そして履き心地も違う。これを十把一絡げにしてしまえば、手縫いの職人が浮かばれないだけでなく、ユーザーは同じなら安いほうを選ぶから必然モノを見る目はやせ細り、手の文化そのものが潰える。

79歳にして、いまだ工房に立つエンツォ・ボナフェ氏

「われわれイタリア人がいうのもなんだが、日本もひどいゾ。昨日、いろいろと店をのぞいてきたが、君たちもやたらめったらハンドソーンと表記しているじゃないか。あれはほんとうにわかっていないのか。だとしたら、社員教育を一からやり直すべきだ」

最後の来日といわれて十余年。ふたたび日本にやってきた79歳のエンツォ・ボナフェ御大は舌鋒鋭く続ける。

「決して機械を否定するものではない。機械のほうが優れている場合はわたしも使う。コストも抑えられるからネ。九分仕立てを続けているのは、すくい縫いを手でやると、足を象った木型を忠実に再現することができるからだ。グッドイヤーは構造上、中底にリブと呼ぶテープを貼らなきゃならんが、あれのせいで屈曲性も損なわれる」

かのア・テストーニで靴づくりを習得、1963年に看板を掲げたエンツォ・ボナフェは九分仕立てを死守する数少ないファクトリーである。九分仕立てとは、最後の工程(=一分)である出し縫いのみ機械に頼る製法を指す。

それはいいものを知ってしまった男の良心だ。そういう痕跡はいたるところに残っていて、たとえば本底は作業へ入る前に、たっぷりと水に浸す。とどのつまり、木型の起伏にぴったりと沿わせるためのひと手間だが、ファクトリーでそんなことをやっているところは聞いたことがない。

Related article

  • SIHH2010レポート:パネライのニューモデルは大豊作
    SIHH2010レポート:パネライのニューモデルは大豊作
  • 力強くマスキュリンな「ポール・スミス マン オードトワレ」
    力強くマスキュリンな「ポール・スミス マン オードトワレ」
  • 選ぶ楽しみを。スニーカーブランド『Sully Wong』
    選ぶ楽しみを。スニーカーブランド『Sully Wong』
  • アルファGTに2種類の特別仕様車
    アルファGTに2種類の特別仕様車
  • 森田恭通デザインのオーデマ ピゲ
    森田恭通デザインのオーデマ ピゲ
  • キーワードは福井 「GLASS GALLERY 291」
    キーワードは福井 「GLASS GALLERY 291」

Prev & Next

Ranking

  • 1
    マンダリン オリエンタル 香港に隠された、エクスクルーシブな空間
  • 2
    希有な体験を生み出す光の空間|吉岡徳仁 ガラスの茶室-光庵
  • 3
    ヨーガン レール「ババグーリの美しい暮らし」展開催中
  • 4
    現代骨董 直球勝負。「古道具その行き先 −坂田和實の40年−」
  • 5
    「パーク ハイアット 東京」のクリスマス限定メニュー
  • 6
    追悼:スティーブ・ジョブズ「基調講演の写真で振り返るジョブズ」
  • 7
    長く使い続けるソファ|イタリア、フレックスフォルム
  • 8
    横尾忠則が描く多彩なポートレイトを集めた展覧会
  • 9
    美と機能の融合! CHEMEXの自動コーヒーメーカー登場
  • 10
    クラチカ ヨシダ 表参道 にて先行&限定販売

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加