大人の炭酸で乾杯したい「トゥモローランド」

2014年 8月 27日 09:00 Category : Fashion

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「もしもし」「もしもし…」「あんた、誰だい」。どすの利いた声。…沈思黙考。起き抜けの二日酔いでほとんど10度にも足りないところまで狭まっていた視界がぱっと開いた。「ごめんなさい!」。乾いた笑い声。「あの、その、酔っぱらって…。間違い電話をかけてしまったかも知れません…」。「気をつけなよ」。「はい!」。

社会人になりたての僕は、安月給でも愉快な毎日を過ごすための選択肢として、ちょうどそのころ登場した発泡酒に手を出した。いまはずいぶんとマシになったようだが、当時のそれは正直、不味かった。値段で選んだスーパーのPBは、輪をかけてひどかった。でも酔えるし、ま、いいかと家呑みの友にしたわけだけど、残念ながらダメな酔い方をした。以来、発泡酒は封印した。

そのころのPBは僕が知る限りどのジャンルもなかかなかにしびれた。安かろう悪かろうを地でいくスタンスが消費者の支持を得られるはずもなく、そうして実際、PBと呼ばれるジャンルは冬の時代を迎えた。

この反省があって、アパレル屋のPBもぐっと向上してきたというのが最近感じていたことなのだけど、トゥモローランドのそれが海外のショップで扱われるようになった秋のニュースには度肝を抜かれた。

ロンドンのセルフリッジ、ニューヨーク本店のバーニーズ、スタイリッシュなオンラインサイトとして耳目を集めるミスター・ポーター…。錚々たる顔ぶれである。この業界で仕事をしている人間にとってそれは、世界を舞台に戦うスポーツ選手の活躍並みに興奮する“事件”なのだった。

毛織物の聖地、伊ビエラ地区の名門、カルロバルベラのエクスクルーシブファブリックを用いたセットアップ。ツイード・タッチな風合いと軽やかな着心地を両立した生地ポテンシャルはもちろん、2プリーツでゆとりのある裾幅に象徴されるモダンなシルエットもまた、たまらない。ジャケット 96,120円、パンツ 42,120円(ともにトゥモローランド ピルグリム)


フォーマルを得意とする尾州の機屋で織ったスーパー120の2/90フランネルという上質きわまりないファブリックを、あえてPUコーティングで仕上げるハイブリッドな風合いが最大の見どころ。金ボタン、というのもいい。ジャケット 59,400円(トゥモローランド)

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