未亡人が教えてくれたコラボの真骨頂

2014年 9月 24日 08:00 Category : Fashion

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従姉妹という関係のふたりの未亡人が近所にいる。僕はひそかに年長をボス、もうひとりをミニボスと呼んでいる。

ボスは仕事帰りの僕を発見すると何十メートル先から大きな声を出してすっかり逃げられないよう包囲する。話題はゴミ出しのルールが守れないヒトへの苦悩とか、馴染みの寿司屋で開いた同窓会の歓喜とか。それはよかったですねぇ、などとお開きを狙う台詞を吐いても、それでねぇ、と韻を踏んだ切り返しで見事なまでに僕の攻撃を跳ね返してしまう。だからもう、つかまったときは30分遅く帰ってきたと思うようにしている。

年下の未亡人にミニとつけたのは便宜上であり、ミニボスをミニだからと侮ってはいけない。半笑いで吐く毒は軽く致死量に達する。あまりに強烈だったのか、なにを言われてきたのかさっぱり思い出せない。『ちびまる子ちゃん』に出てくる野口さんだって手こずるだろう。

だから駅からの道をとぼとぼ歩くその先に井戸端会議をしているふたりを認めたときは、天を仰ぐ。彼女たちの舌先のパスワークはそれはもう華麗で、目を回しているうちにゴールを決められてしまう。もはやひとつの芸である。

そんな下町最強のツートップにも負けない阿吽の呼吸を感じさせたのが、ナイジェル・ケーボンとエーグルだった。

ブルー・ドゥ・シャフ社製ポストマンバッグ。76,000円

エーグルはラバー工場からスタートした、160年の歴史をもつフランスの名門アウトドアブランドであり、ナイジェル・ケーボンはヴィンテージのミリタリー&アウトドアウェアのコレクターとしても世界にその名を轟かすイギリス人デザイナーである。

コラボレーションの話がもちあがると、両者はそれぞれの膨大なデザインソースを持ち寄って、素材や生産背景、ディテールを一つひとつ、吟味していったという。どちらが言い出しっぺか知らないが、両者には根っこのところで通じるものがあり、おそらく自然体でのぞめたに違いない。それぞれの持ち味が生かされているなぁと思った。

ハリー・スティーブンソン社製ワックスコットンによる3/4丈パーカー。取り外し可能なソフィエタ社製ダウンライナーつき。185,000円

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