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快適志向とクラシック回帰に応えた「ザ・ジジ」

2014年 10月 30日 08:00 Category : Fashion

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どんな流れでそうなったのか覚えていないけど、気づくと僕らは理想の女性論についてかなり熱い議論を戦わせていた。通訳してくれたのは女性だった。いま考えれば申し訳ない気持ちでいっぱいである。途中、ランチかなにかから帰ってきたスタッフのイタリアーノが、おれも混ぜろとばかりににやにや近づいてきた。

メンズクロージングという池の水がすべて溢れてしまいそうな一石を投じた、マリオ・ボリオリ。ずいぶん昔のことだが、はじめて対面した彼はとにかく真面目で、色気もたたえた、いい男だった。このマリオこそ、メンズファッション誌の書き手なら指にタコができるくらいタイプしている、芯地を省いたアンコン仕立てと製品染めを広めた立役者である。

そんな男が弟のピエルイジ・ボリオリを前面に押し出し、新たに立ち上げたのがここで紹介するザ・ジジ。ピエルイジのニックネームから採ったブランドだ。

モヘヤにウール、ナイロンを混紡したジャケット。ループツイードと呼ぶ凹凸のあるファブリックをまとったそれはまさに象徴的な一着だ。180,000円

ブークレ、カセンティーノ、モヘア…。売場をのぞけばこの秋は毛足の長い服地のジャケットやスーツが華盛りだ。往年のものが改めて見直されるなか、天然素材、とくに織りに特徴のあるファブリックがトレンドに浮上しているのだが、ザ・ジジはこれを確信犯的に仕掛けた。その提案は群雄割拠のイタリア勢にあって、突き抜けていた。

巧妙にしなやかな風合い、トーンを手に入れつつ、シルエットもコンパクトに仕上げたそれはとびきり新鮮でいて、付き合いやすい雰囲気をまとうことに成功していた。世の中の快適志向、あるいはクラシック回帰といった方向性に則りつつ、半歩先いく提案にはさすがと唸らざるを得ないけれど、あくまで根っこに自分の好き嫌いがある、というのもよかった。ザ・ジジはピエルイジが愛してやまないミッドセンチュリーへのオマージュがカタチになったものであり、こういうのがあるのとないのとでは仕上がりに雲泥の差が生まれる。それはおそらく、マリオの背中を見て育ったからだろう。

ウール100%のチェスターフィールド。ネイビー、ショールカラーというディテールがノーブルな印象を醸し出す。200,000円

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