『エキサイトイズム』サービス終了のお知らせ
この度『エキサイトイズム』は2019年9月30日をもちましてサービス終了をさせていただきました。
これまで皆さまに賜りましたご愛顧に心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

ビームスの秘密

2015年 1月 8日 08:10 Category : Fashion

このエントリーをはてなブックマークに追加

「仕入れているブランドや業態の可能性を検討するとき、売上にはさほどとらわれません。なぜなら、数字にしばられるとビームスというブランドがやせ細っていくからです」。

長丁場の取材で、ちょっと休憩しましょうかと喫煙室に連れ立ったバイヤーが教えてくれた、ビームスの役員が講演会で語った内容に僕は身をよじった。数字とにらめっこしていてはこぼれ落ちてしまうことこそ世の中には必要である。しかしきれいごとではメシが食えないのもたしか。別のショップのくだんのバイヤーは、心底うらやましそうだった。

これが有言実行であることは展開している業態をみれば一目瞭然だ。たとえばビームス レコーズ、あるいはフェニカ。レコードやファニチャーをここまで本腰入れて展開しているセレクトショップはほかにはないだろう。そうしてビームスはライフスタイルとしての深みをもつにいたった。

そんなスタンスをあらためて証明したのが、シルバーアクセの嚆矢であり名門のビルウォールレザーへのてこ入れだった。1990年以降のシルバー・バブルがしぼむと、フォロワーの多くは苦戦を強いられる。その影はひたひたと先駆的ブランドにも迫った。ところが、ビームスは取引をやめないどころかオフィシャルサイトをローンチするなど、むしろ態勢を強化した。なんでも設楽洋社長の「こんなブランドはほかにはないぞ」という鶴の一声だったとか。

ハーレーダビッドソンが公認する数少ないアーティスト、ジェフ・デッカーとのコラボレート・コレクション、ブルー アイド デヴィルズ。右から2つ目のみ59,400円、ほか69,660円

ビームスがビルウォールレザーを大切にするのは、デザイナーのウィリアム・クレイグ・ウォールがいまもアトリエでみずから一つひとつ、つくり上げているからである。プロトは蝋からつくる一般的なロストワックス製法ではなく、シルバーの塊から掘り出される。それは繊細なラインを忠実に表現するための“ムダ”である。

徹底的に機能美をむさぼるスタンスもいい。チェーンをロックする、くびれをもたせたシルエット、はたまたフックの構造。フックは金属の剛性を利用し、ねじれを加えることで弾性を獲得している(つまり、バネ・パーツを使っていない)。耐久性を考えた工夫であり、さらなる強度を追求し、フックの一部のみステンレスを採用したウォレットチェーンは誇張ではなく、墓場までもっていくことが可能だろう。

まさに一緒に歳をとっていってくれるウォレットチェーンだ。486,000円

新たな可能性を感じさせるハート型のリング。繊細な彫金も光る。51,840円

Related article

  • シャロン・ストーン、ダミアーニにこめた Love&Peace
    シャロン・ストーン、ダミアーニにこめた Love&Peace
  • シャネル銀座5周年(後編)祝福のレッドカーペットと限定アイテム
    シャネル銀座5周年(後編)祝福のレッドカーペットと限定アイテム
  • エピス|その豊かな色彩に思わずみとれる、パリのストールブランド
    エピス|その豊かな色彩に思わずみとれる、パリのストールブランド
  • センシュアルな魅力溢れる「Parah」のアニマルシリーズ
    センシュアルな魅力溢れる「Parah」のアニマルシリーズ
  • 収納力もデザインも妥協しない万能バッグ、「TM1985」
    収納力もデザインも妥協しない万能バッグ、「TM1985」
  • クリスチャン・ルブタンから、数量限定エスパドリーユ
    クリスチャン・ルブタンから、数量限定エスパドリーユ

Prev & Next

Ranking

  • 1
    世界最大の現代美術展「ドクメンタ(13)」レポート
  • 2
    ミラノサローネとは一体何なのか?━世界最大のデザインイベント
  • 3
    フライターグの次世代型リュック「F48 HAZZARD」
  • 4
    はじめてのおもてなし 【今週末見るべき映画】
  • 5
    ますます充実、「ピエール・ガニェール パン・エ・ガトー」
  • 6
    ブルーノート東京30周年記念  2018年10月8日(月・祝) “ワンマン・オーケストラ”天才ジェイコブ・コリアー 本邦初のスペシャル・ステージ!
  • 7
    フォションから、美と健康のための新シリーズ
  • 8
    デンマークの生活の家具―ボーエ・モーエンセン生誕100周年展
  • 9
    ツヴィリング。世界最高峰の包丁は、ドイツと日本のハイブリッド
  • 10
    エリオット・アーウィット 独占インタビュー

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加