まわりも前向きにする装い

2015年 2月 17日 08:00 Category : Fashion

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地下鉄に乗っていると、年配の女性に話しかけられたんだ。とってもチャーミングな着こなしね。私も元気がもらえるわって――うれしそうに心温まるエピソードを披露してくれたのは、いまや世界的なファッション・ブロガーとして知られるカール・エドウィン・ギアだった。自身が被写体になることもしょっちゅうの彼は、色鮮やかなシャツやパンツを衒いなく身にまとう。

暮れにコンゴのサプールと呼ばれる人々を特集したドキュメンタリーをみた。政情不安で、とても貧しい国、コンゴ。そういうどうしようもない現実にやさぐれることなく、「武器を捨て、エレガントに生きる」を座右の銘に色とりどりの一張羅に袖を通す。この空気に感染した人は多く、翌日のネットは賞賛の嵐だった。たかが服だが、気持ちを変えることができる。一人ひとりがそうしてポジティブな心もちになったら、あるいは、ひょっとしたら、世界はよくなるかも知れない。

ヒジャブ(頭髪を覆うスカーフ)やチャドル(全身を包む布状の衣裳)で有名なイランにもそんな動きがある。2014年に3回目を迎えたファジル・ファッション・フェスティバルなるショーで、華やかなチャドルが踊った。チャドルといえば黒と相場は決まっている。男女が同じ舞台に立ったそのショーは、ショーの存在そのものが奇跡的なことなのだという。インタビューされていたキーマンのひとりは、このようなイベントが開催できて喜びでいっぱいだ。やっとイランの若い人々に…と、感極まって両手で顔を覆い、そして、明るい未来がやってくると続けた。

あらためてファッションの可能性を感じた僕の気持ちにしっくり来たのが、マックスヴェッレだった。写真でも伝わる、溢れ出る色気。イタリアのラテンなノリから、これみよがしな部分をトコトン削ぎ落としたことで現れる洗練。それはおそらく、かつて船のデザインもしていたという異色のキャリアによるところが大だろうが、いわゆる機能美なんて手垢のついた言葉ではとても足りないオーラがある。そう、オーラがあるのだ。

イタリアの靴業界の大御所、マックス・ヴェッレ。あのトム フォードをはじめ、名だたるブランドを手がけてきた

ブラウンにネイビーを掛け合わせる色使いもさることながら、見逃せないのがバックルだ。バーニーズ ニューヨーク限定のそれは、じつに繊細な彫金が施されている/135,000円

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