なんってたって「リーガル」

2015年 3月 26日 08:05 Category : Fashion

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美味しい珈琲がちょっとしたトレンドになっている。みずから豆を挽いて淹れるのを数少ない趣味のひとつとしているぼくとしてはとてもうれしい。

珈琲にまつわる話で誇らしいのは、江戸川区とぼくが暮らす区のみ、スターバックスが出店していない、というものである。理由はあたりを見渡せばすぐにわかる。昭和喫茶の文化がしぶとく息づいているからだ。痒いところに手が届く地域密着型の商売ってのは、最後はやっぱり強い(もちろん、チェーン店の安定感、安心感を否定するものではなくて、それらは共存できるものと思う)。

そういえば、吞ん兵衛の聖地、立石にはケンタッキーが上陸を諦めたというほんとうか噓かわからない話がある。あの街には半身の唐揚げを食わせてくれる、超のつく有名店がある。注文を受けてから揚げたそれは噛み締めた瞬間、肉汁が溢れ出、馥郁たる香りが鼻腔を占拠する。はじめ人間ギャートルズの気分になってグワァシグワァシ喰らっていると、ほとんどの軟骨も胃に収まっている。壁にかかった、脂で厚化粧した短冊には時価と書いてあって一見の客はひるむけど、だいたい500〜600円だ。

ファッションにおいてドメスティックの観点が求められるのが靴である。5㎜ピッチで揃うサイズはそれだけフィッティングが大切なアイテムであることを意味し、欧米人と骨格が異なる日本人には、やはり日本でつくられた靴がしっくりくる。

昭和喫茶や鳥の店に負けない靴が、リーガルだ。日本人の九分九厘は知っているだろうお化けのようなブランドだが、実際のところはあまりよくわかってはいないのではないかしらん。

まず、靴の先進国であるイギリスにも負けない歴史をもち(日本製靴という前身の会社まで遡ればざっくり100年)、爾来“本格靴”の代名詞であるグッドイヤーウエルト製法にこだわってきた。リーガルはもともとはアメリカの靴会社のブランドで、長い技術提携のときを経て日本製靴が譲り受けたのだが、いまや彼の地でも靴のブランドは数えるほどしかないことを考えると、リーガルはこよなく希少なアメリカントラディショナルの後継者といっていい。

リーガルの美徳は海外への産地移転が当たり前の時代にあってなお、国内の自社工場を守り抜いたところにある。写真は革を木型に釣り込んでいる工程

もちろん海外にも拠点をもったが、ドレスシューズに関してはその9割がジャパンメイドである。写真はすくい縫いと呼ぶ底付けの工程のひとつ

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