130人の渋い男が百花繚乱|写真集『JAPANESE DANDY』  

2015年 5月 4日 09:00 Category : Fashion

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重さ2キロ以上、西欧の美術書を思わせる重厚な造りの写真集『JAPANSE DANDY』は、10~90代の男たち130人を撮り下ろした前代未聞のポートレイト集。272ページを飾るのは今を生きる日本の市井の男たち。「洋服」という切り口から捉え、2年半の年月をかけて丹念に作られた一冊は、『第46回 講談社出版文化賞 写真賞』(平成27年度)にもノミネートされた逸品。


ストリートスナップ大全盛期において、「あれはあれで素晴らしいと思います。でも、スタジオワークで撮ると男はもっと素敵に撮れるということをきちんとした形で見せたいと思いました」と語るのは本作の生みの親、ファッション・プロデューサーの河合正人氏。広告や雑誌の世界を中心にフラワー・コーディネートやオブジェ制作でも知られる同氏とタッグを組んだ写真家・大川直人氏を交えて、ストリートスナップへの静かなるアンチテーゼも含め具現化した男一色の写真集『JAPANESE DANDY』の魅力について伺った。

#01.ニッポン・ダンディーのはじまりは、咲き誇る花にあり


-お二人の出会いについてお聞かせください。

河合正人氏(以下、河合):大川さんとは、十数年前に広告の仕事を通してお会いしました。その後しばらくして、『FLOWERS』(2012年万来舎)という作品集を一緒に作り始めました。フラワーコーディネーターの僕が花を見つけてきてセッティングして、大川さんに撮ってもらうー四季折々に咲く花の中で、本当によい花に出会えたときにだけ撮影するというやり方で、1年かけて作りました。

-本来なら、撮影日が先にあって、そこに合わせて素材を集めてきますよね?

河合:そうですね。「これだ!」と思う花が見つかった日に、大川さんに電話をしてOKだったら即、撮影するという感じで作っていったので、普通の仕事とはまったく逆のやり方かもしれません。あくまで花ありき。花に寄り添うようにして撮影したものです。

大川直人(以下、大川):生きているものだから、すごい動くんですよ。とにかく動きが早いんです。カメラテストで切るポラロイド写真を見て、「お、これはいい表情だ。捉えたい」と急いでファインダーを覗くと、もう花は動いていて、変化していることがよくありましたね。

河合:この作品集を作りたいと思ったきっかけのひとつに、アーヴィング・ペンの『FLOWERS』がありました。言うまでもなく、もちろん素晴らしい写真なのですが、花を生業にする自身の視点からみると、思うところが色々とありました。「自分だったら、こういうアプローチをするんだけどな…」と。

大川さんがいて、僕がいれば、写真を撮る人間に、花をやる人間がプラスされる。おのずと写真家がひとりで撮る花とは違ったものが撮れるのでは?と思いました。短い花の命のつぼみから満開、そして朽ちて行く工程を捉えた花もありますが、『FLOWERS』に登場する花の多くは、どこの花屋にも置いてある花なんです。珍しい花だと思う方も少なくないのですが、おそらくアプローチの違いがそう見せているのではないかと。


-トルコキキョウ、アンスリウム、ダリア、バラ、シクラメン…花たちが女性のように見えます。妖艶で美しいです。

大川:非常に男らしい目線で捉えたんですよね、この作品は。

河合:コダックのアナログポジフィルムを使って撮影したんですが、発色がやはりデジタルとは違うと思います。『FLOWERS』は、ポジフィルムの写真集として一番最後のものだったそうで、現在、大日本印刷でも、資料としてストックされているそうです。10年ほど寝かせていたのですが、万来舎の社長さんにお見せしたところ、「ぜひ出しましょう」とお話をいただき、2012年に刊行しました。

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