王妃マリー・アントワネットが愛したブレゲ/ブレゲ~Breguetに魅せられて(5)

2014年 3月 17日 09:30 Category : Garbo

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高級時計は数あれど、そのなかでも最高峰を誇るブレゲ。1775年創業と長い歴史を持つが、その時計はフランス王妃マリー・アントワネットをはじめ、コンドルセ公爵夫人、皇后ジョセフィーヌなど、歴史を彩った錚々たる女性たちを魅了し、また愛されてきた。ブレゲの歴史、そして背景をひもとく。

#05.王妃マリー・アントワネットが愛したブレゲ

ブレゲは著名な顧客を数多く持つことでも知られている。さまざまな時代に人々を魅了し、その数世紀におよぶ歴史を通して、美しさや文化、贅沢、洗練、創造性などの代名詞となってきた。ブレゲ社の台帳には、1787年から現在までにブレゲが販売した時計ひとつひとつが記録されている。

1782年、創業者アブラアン─ルイ・ブレゲは、かのフランス王妃マリー・アントワネットのために、ブレゲNO.2 10/82を完成させたという記録がある。この時計は、日付表示とリピーター付きの自動巻懐中時計「ペルペチュエル」である。


フランス王妃マリー・アントワネットの肖像:「薔薇を持つマリー・アントワネット」


その翌年、アブラアン─ルイ・ブレゲは驚くべき注文を寄せられることになる。それは、それまで知られたあらゆる複雑機能とブレゲの発明をひとつの時計に組み込み、できる限り部品にゴールドを使用したものを王妃のために作るというものであった。すでに宮廷時計師として長く活躍していたブレゲに、製作にかかる時間と費用の制約は課されず一任された。アブラアン─ルイ・ブレゲは、王妃の警護にあたる役人を通じて注文されたこの時計の製作に打ち込んだ。

しかし、運命のいたずらで彼女はこの「マリー・アントワネット」という名で呼ばれる伝説の時計、NO.160の完成を見ることなくこの世を去ったのである。時計が完成したのが1827年。王妃が亡くなってから34年後のことで、注文を受けてから44年が経っており、ブレゲ自身も4年前にこの世を去っていたという。歴史の中で、ブレゲとマリー・アントワネットはこのような関わりを持っていたのだ。

2004年、ブレゲはこの時計の完璧なレプリカの製作を開始する。この時計に組み込まれた数多くのコンプリケーションを再現することは、メーカーにとっては文字通り挑戦だった。調査はブレゲ・ミュージアムが所蔵するオリジナルのデッサンを始め、パリ国立工芸学院ミュージアムといった高度な文化施設などの協力で行われた。現在では一部失われてしまったノウハウまでが甦り、ブレゲ社は伝説の時計を原型に忠実に再現することが可能になったのである。それが懐中時計「NO.1160マリー・アントワネット」である。


ブレゲNO.1160”マリー・アントワネット”

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