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60年代の日本デザインの傑作が復活「60VISION」新作展示会(3)

2007年 9月 26日 11:00 Category : Interior

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 去る9月4日から8日まで、新丸の内ビルディング7階の「丸の内ハウス」で開催された、異業種合同プロジェクト「60VISION(ロクマルビジョン)」展示会レポート。

 第3回目となる今回は、その発起人であり総合プロデューサーを務めるデザイナーのナガオカケンメイ氏に、その原点とプロジェクトについて聞いた。


「“デザインを通じて社会を良くしよう”という、デザイナーの純粋で強い意志。それが60年代デザインプロダクトにはあるんです」

Q:インタビュアー、渋谷康人
A:ナガオカケンメイ(デザイナー、ドローイングアンドマニュアル代表)


Q:60VISOONという、1960年代の日本製品を復活させるこのプロジェクトを始めたきっかけ、動機は?

A:趣味でリサイクルショップを回っていて、どこのリサイクルショップでも、ある一定量ヒットしたんだなと思われるカワイイ食器や家具がありました。いろいろ集めているうちに、製造メーカーさんに問い合わせをしているうちに、60年代のモノが多いとわかったんです。最初から狙っていたわけではありません。

Q:60年代モノと、他の年代のモノとの違い、共通する特徴は何だと考えていますか?

A:60年代というのは、バウハウスから始まったデザイン運動が世界的に発展した時代で、日本人と日本の企業も大きく影響を受けました。そして40年代に創業して、60年代にある程度事業が起動に乗った日本の企業には、今のようにデザインを薄く使うのではなくて、「デザインを通じて日本を良くしよう」という純粋な気持ちが強かった。会社の運命を賭けて、しかも日本人のためにデザインを活用するという強い意志を持っていた。そういう意識の高いデザイナーと一緒にモノ作りを行っていた時代なんです。この純粋な気持ち、強い意志が60年代の製品にはある。70年代以降は、デザイナーの意志よりもマーケティングによるモノ作りが主流になって、そういうことはなかなかできません。でも今の日本のモノ作りの原点は、この60年代にあるんです。


▲60VISION 会場の様子

Q:現在、11社がプロジェクトに参加しているわけですか、どんな基準で参加企業を選んでいますか?

A:日本のモノ作りということで、創業してから30年以上経っている、モノ作りに一生懸命で、このプロジェクトに参加したいという意志があるところ。こちらからお願いしているのではなく、先方から参加したいと言ってこられたところばかりです。また、ロングセラー商品を自社内で育てる意志があり、ロングライフマーケット創造に強く協力する意志があるところです。

Q:「ロングライフマーケットの開拓」、つまりロングセラー商品を育てる意志を条件にしているのですか?

A:僕自身がデザイナーで、デザイナーというのは、カタチのあるものの社会に向かって発信していく、企業と一緒にモノ作りをしていく職業です。そして今、デザイナーとして時代の要請に合ったモノ作りを考えたときに、いちばんいいのは「モノを捨てないことではないか」と考えています。つまり、長く使ってもらう製品であることが、何よりも大切です。良いデザインは時代を超えた魅力がある。それを使い捨てないためには、企業自身がロングセラー商品を自社内で育てる強い意志を持っている必要があります。そこで60VISIONでは発売した商品をディスコン(廃番)にしないことを参加企業に約束して頂いています。

Q:60VISIONのユニークな点は、商品開発からユーザーまでを視野に入れたモノ作りをしてくるところ、特にパートナーショップと呼ばれる60VISIONのコンセプトに賛同した店を育てていることだと思います。それはなぜですか?


A:僕自身も含めてなんですが、最近の生活者がモノを買うところは、インターネットだったりコンビニエンスショップだったりします。そういう利便性は否定しませんが、やっぱり愛情を持っている店員からモノを買う、というのがどんどんなくなってきている。でも、いちばんいいのは、製品に思い入れを持ったメーカーが、思い入れを持ったショップと、思い入れを持ってお客様に販売して、それを長く使ってもらうのがいちばんではないかと思います。いいデザインをしても、いいショップがなければ、(そこに込められた愛情が)伝わらない。だからからいちばん最初に、ユーザーと直接の接点になる販売網に注意を払いました。デザイナーは製品をただデザインすればいいのではなく、それがどのようにユーザーの手に渡るのかという、流通過程のデザインにも責任があると思うのです。


▼「60VISION」会場の様子、新作など、過去のレポートはこちら
60年代の日本デザインの傑作が復活「60VISION」新作展示会(1)

60年代の日本デザインの傑作が復活「60VISION」新作展示会(2)


60VISION

取材/渋谷康人

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