東京・目黒のホテル、CLASKA(クラスカ)で、面白い展示が始まったと聞いて、さっそく見に行ってきた。その名も「みやげもん展」。雑誌ブルータスの巻末に掲載されていたその連載は、筆者の川端省吾が全国各地を練り歩き、その地方のみやげもんを手にし、サイドストーリーを語るというもの。
単なる「かわいい~」という雑貨的な視点ではなく(もちろん見た目もセンスと愛嬌のあるものばかりがセレクトされてはいるが)、地方にまつわる歴史や言い伝えがユーモアあふれる口調で語られている点が興味深く、毎回楽しみにしていたものだ。
今回の展示では、60回ほどの連載でたまったみやげもんに、さらにこの展覧会のために探したみやげもんを集めて、計100体(なんと数えるのだろうか)以上のみやげもんが、CLASKAギャラリー&ショップDO(ドー)に集結した。いくつか紹介しよう。
こちらは、亀戸天満宮の鷽(うそ)。展示のシートにこう書いてあった。
「日頃、知らず知らずのうちについてしまう“嘘”を、天神様が“誠”に替えてくれる神事『鷽替え』。“鷽(うそ)”とはスズメ目の鳥で、“嘘”とかけて、この鳥を象った木彫りを参拝者同士で交換し合います。」
まさに「へぇ~」である。 天神様なんて何気なく行く場所だし、こういう木彫り像はきっと目にしているだろうが、このようなストーリーを改めて聞かされると、なんだか楽しい気分になってくる。
写真の奥に写っているカーリーヘアの木彫りも、同じく鷽。太宰府天満宮のものだそうだ。
こちらのこけしは、かのチャールズ&レイ・イームズの自邸(イームズハウス)のコレクションにもなっているという逸品。
さらに、ブルーノ・タウトもこのこけしを買いに来たという。巨匠たちのおめがねにかなった意匠の美しさは、ぜひとも見て欲しい。ちなみにこのこけしは会場で購入も可能だ(¥3,675)。