インタビュー:マリオ・ベリーニ、名作誕生を語る

2010年 3月 4日 18:30 Category : Interior

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チェーザレ・カッシーナとの運命の出会い

 彼との出会いは、ほとんど偶然に近いものでした。1960年初頭、まだまだ私が若い頃の話です。それはちょうど私が、自身で初めてデザインしたテーブルで最初のコンパッソドーロ(イタリア版のグッドデザイン賞。イタリア語で“金のコンパス”を意味する。ベリーニ氏は7度受賞)を受賞した年。いわゆる“ミニマリズム”が時代を台頭する以前のことでしたが、そのテーブルはとてもシンプルかつミニマルなデザインに仕上げた作品でした。


 しかし、受賞の歓びを噛み締めるのも束の間、当時そのテーブルを生産してくれた工場が、私のコンパッソドーロ受賞直後に工場の生産を中止せざるを得なくなった。私は新しいメーカーを探すため、チェーザレに「ぜひ会いたい」とアポイントをとったのです。私のテーブルを実際に見て彼がどう思うのか、「直接作品を見て意見を聞かせてもらいたい」と掛けあってね。

 今日でこそ、当時の私のようにチェーザレに会いたいと願う若いデザイナーや建築家が何百何千といて、なかなかその夢は実現しないものになってしまったが、その当時は「会いたい」という願いに対して、それをダイレクトに彼が聞いてくれるという幸運に恵まれることができた。ちなみに、その頃の私はまったくの無名で、大学(ミラノ工科大学)で建築学を専攻し、卒業してまだ数年の若造だった。

 でもチェーザレにとってそんなことはどうでもいいことだったんだろう。私のテーブルを見るやいなや「こいつは何かを持っているな?」と感じてくれた様子で、「我々のために何かデザインしてみないか?」と、さっそく仕事をオファーしてくれた。当時から、チェーザレは口数は少ないものの、深く聡明な目を持つ特別な人物だった。

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