インタビュー:マリオ・ベリーニ、名作誕生を語る

2010年 3月 4日 18:30 Category : Interior

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イタリアのモダンデザイン創成期の到来

 それから間もなくして、私は建築出身のデザイナーとして彼らと共に働く数少ない人物のひとりとなった。当時私と同様にカッシーナの若手デザイナーとして参画していたメンバーのなかには、ジオ・ポンティやカルロ・スカルパもいた。そして、それから間もなく、チェーザレがピエロ・ブズネリと新しく立ち上げたC&B(C&Bの名はチェーザレ・カッシーナとピエロ・ブズネリの頭文字をとって付けられた。ピエロ・ブズネリはC&Bの成功後、1966年に独立してB&Bを創立している)に、私も新進の4人のデザイナーのひとりとして参画することになり、ほどなくしてAMANTAという作品をデザインした。白いシェル型で、中にクッションを敷いたチェアです。とにかく、カッシーナとC&Bと共に幾つか作品を世に送り出すほんのわずかな期間で、私は、正に瞬く間に“有名デザイナー”の仲間入りを果たしたわけです。

 60年代、イタリア、特にミラノは、既にデザイン先進国として世界の注目を集めていました。まさにイタリアンデザインにおいて特筆すべきの時代の到来。そんな時代にも関わらず、当時イタリアにはデザイン専科の学校がまだ存在しなかったのです。当時活躍していたデザイナーの多くが建築学科出身で、その例に漏れず私自身も工科大学の建築学科卒。大学で正式にデザインを学んできたわけではありませんでした。

 まあ、言わば、そうしたバックグラウンドが、かえってデザインの潮流においてイタリアンデザインが特異な側面を持つようになった要因のひとつになったのだと思いますが。要は、単にデザインだけを学んできたデザイナーよりも、建築とデザインにおける総合的なセンスを併せ持っている方が、「人と空間と家具」とのバランスを、より包括的に捉えることができるわけですから。

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