Interview:孤高の鬼才 デザイナー・秋元一彦氏が語る『ROSA RUGA』の気高き世界

2015年 1月 16日 08:20 Category : News

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ブランドアイコンは、凛々しい豹の顔。見るも鮮やかな色彩に染まる独特の革製品で人々を魅了し、圧倒的な人気を得ているブランド『ROSA RUGA』(ロサルガ)のデザイナー・秋元一彦氏は、車の修理工、鈑金塗装の職人を経て、革の染色・加工・製造技術を独学で身に付けたというユニークな経歴を持つ人。彼が生み出すその全てに、比類なき独自の思考と発想が散りばめられている。デビュー9年目を迎える今、彼の軌跡を辿りながら、『ROSA RUGA』の魅力について迫っていく。


#01.逆転の発想と消去法から生まれたブランド『ロサルガ』


-車の修理工、鈑金塗装の職人を生業とされていたそうですが、ブランド『ROSA RUGA』を立ち上げた背景には、どんな考えがあったのですか?

鈑金塗装は、へこんだり、ダメージを受けた車のパーツを平らに戻して、そこに色を塗る修理・再生の作業です。ぶつかったものをぶつかっていないように見せるために、ぼかし方を変えたり、わざと軽く塗ったり、細かい作業で調整していくので、技術は必要です。例えば、同じ黒でも、メーカー指定の基本の色と実際の車の色を照らし合わせると、全然違ったりするので、古い車のドアなら、陽に焼けて褪せた色という具合に合わせていきますが、あくまで修理なので自分の個人的な表現ではありません。

一方、革は鉄板よりも柔らかく、形を出しやすく、かつ修理ではない新しいことができます。車だと工場を借りるとか、ある程度大きな作業スペースが必要になりますが、究極、机と椅子さえあれば製品は作れますし、鈑金塗装のようにお客さまを待つ受け身の姿勢ではなく、こちら側から発信できます。車でも、何度も修理してどれだけ愛着があるものよりも、やっぱり新車の方が嬉しいと思うんですよ、多くの人は。買う時に何色にしようかなと迷ったりするのも、ワクワクするだろうし。バッグや財布の革製品もそれと同じじゃないかと。

-豹のアイコンと、ブランド名『ROSA RUGA』はどのように生まれたのですか?

シーズンごとにまずテーマがあって、それに基づいたルールを決めて製品を作って、最後に刻印を打つ…洋服でも小物でも、ブランドはこのやり方が主流だと思います。でも、これだと、どの時代の、どこのブランドのものかということが、分かりづらいところがありますし、これだけモノが溢れる今の世の中では、記憶にすら残らないかもしれません。そのことを踏まえた上で、「ブランドとは何か?」と考えた時に、人がそれを見て、そのブランドのものだとひと目で分かるのは、“マーク”だろうなと思いました。

つまり、製品のデザインを考えるよりも先に、アイコンを作ったんです。動物にたとえたら、自分はどこに当てはまるか? と考えたら、ライオンでもないし、クマでもないし…と、消去法で豹に辿り着きました。これを最初に見つけられたので、あとは自分の中で決めたルールに沿って、世界観を作っていけばいいと分かった時、ホッとしましたね。ブランド名も同じで、自分を花にたとえた時、タンポポでもチューリップでもない、じゃあ何だ? と考えていくと、オールドローズのロサルガが当てはまりました。


-語呂が良くて、覚えやすい名前ですね。

ありがとうございます。『ROSA RUGA』は、発音すると“ロサルガ”の4文字で、長すぎず短すぎない長さですし、頭文字がふたつとも「R」なので、見方によっては、字面が左右対称にも見えます。濁音も入っていて、響きもいいかなと。数学の考え方でいうと、すべて答えが出ているんですよね。「X+Y=答え」だとしたら、その答えは、自分の目標だったりします。例えば、「自分が作ったものが、お店に並ぶのを見てみたい」という目標があったとしたら、もう答えはそこにあるので、あとはXとYを導き出せば、何をするべきかは、おのずと分かってきますし、製品を作る時も、シルエットは、素材は、色は…と考えていくと、何が必要で、何が必要じゃないかは、クリアに見えてきます。同じように、ブランドを立ち上げる時に僕が考えたことのひとつなんですが、高級感って何だと思いますか?

-高級感? …やっぱり、手触りとか見た目でしょうか?

そうなんです。色と艶も大事です。もうひとつ、不可欠なのは重さですね。僕が男だからかもしれませんが、手に持った時に軽かったら、高級感ってないんですよ。細かく言うと、バランスやシルエットやディテールなど色々とありますが、高級感とはこういうものだという定義を自分の中で見出したら、“それに伴ったそれ”みたいな感じで作っていきます。今の話で言うと、あえて物に対して重くするとか、そういうことですね。全部ではないですけど、逆転の発想というか、真反対から考えたりすることがよくあります。その方が自分も楽だし、作る側としての主軸がぶれることがないです。

逆にその軸がないと、どんどん散らばるし、薄くなっていくと思います。技術的にはできてしまうので、豹の他にも、ゾウも、他の動物も作って欲しいという要望があったとして、それに応えてしまうとか。そうなると、ブランドではなくて、オーダー屋さんですよね。やろうと思えば何でもできるけど、余計なことは何もしちゃいけないと思うんです。精神的なロスもありますし。

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