常盤新平―遠いアメリカ―展

2015年 2月 26日 10:00 Category : News

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常盤新平さん。2013年の1月、81歳で亡くなられた。編集者、翻訳家、作家、エッセイストとして、一流の仕事を多く残された「巨人」である。1994年、町田市に居を移され、健筆をふるわれた。3月22日(日)まで、町田市民文学館ことばらんどにて、「常盤新平―遠いアメリカ―展」が開かれている。

「遠いアメリカ」は、常盤さんが書いた初めての小説で、4篇の連作からなり、「遠いアメリカ」が、1987年に直木賞を受賞している。重吉と椙枝の青春の日々を、甘酸っぱく描いた4篇の小説は、今でも時折、読み返している。「遠いアメリカ」、「アル・カポネの父たち」、「おふくろとアップル・パイ」、「黄色のサマー・ドレス」の4篇は、いわば常盤さんの自伝的小説ではあるが、あまたある青春文学の傑作と思っている。時代背景の的確な描写、行間に漂う哀切さが、たまらなく、いい。

喫茶店・カドにて 1995年/写真:関戸勇

展示を見た。小説の章立てさながらの構成である。

・プロローグ「遠いアメリカ」
・第一章 作家の原点 生い立ち
・第二章 アメリカ憧憬 編集者・翻訳家として
・第三章 ときわの流儀 エッセイ、書評
・第四章 片隅の人たちを描く
・エピローグ 町田での日々

2階の入口までの踊り場に、大きな写真が飾ってある。1995年頃、ニューヨークのカーネギー・ホールの前で、常盤さんがコーヒーの入った紙コップを持って立っている。大きなポスターは、ラトビアの歌姫ライマ・バイクレと、アイルランドの民族音楽グループのTHE FUREYSのコンサートの案内だ。常盤さんは、小柄だが、愛用の小さなバッグを持ち、格好いい。

入口には、大きなパネルで、直木賞を受けたときの受賞の言葉が掲げられている。「…直木賞は私から最も遠い存在だった。アメリカよりもはるかに遠かった。…敬愛する諸先生に選ばれたことを誇りに思う。もう若くはないけれども、小説に対して敬意を込めて、小説を書くことができればと願っている」。

直木賞正賞の時計

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